続編☆白金総司


第11話:エクストラ 優しい体温







「どうした? マリア」


黙って俯く私に気づいた総司さんが、優しい声で私の名を呼びながら顔を覗き込んできた



「…………」


その優しい声に とうとう我慢ができなくなって、彼の胸へ縋りつくように思いっきり飛びこんだ



「……っと」


総司さんは一瞬驚いたような声を漏らしたものの、しっかりと私を抱きとめ、優しく背中を叩くように撫でてくれた



「……甘ったれたやつだな」


触れた部分から伝わるこの体温も、匂いも。間違いなく総司さんだ

総司さんがちゃんと帰ってきたんだと実感して、とても安心した



「まさか、泣いてるんじゃないだろうな?」


髪を梳いていた手が、頬に添えられて上を向かされた



「……っ」


「……なんて顔してるんだ」


泣いてはいないにしろ、泣きそうな顔をしていたことには違いなかった

総司さんはフッと笑うと、頬に添えた手の親指で私の目尻をそっと拭う



「俺はちゃんと、お前のところに帰ってきただろう? もう、大丈夫だ」



私を安心させるように、頬をすり寄せ耳元でそう囁いた


彼の体に腕を回すと、彼の両手が私の頬を包む

総司さんの顔が近づいてきて、そのまま唇が重なった


「んっ……」


互いの唇が触れ、深く重なっていく

彼の舌が口内を抉る(えぐる)ように撫で、私の舌を絡め取る


「っ……んんっ」


「……まずいな」


唇が離れ、銀糸が引いた


そんなことを呟いた彼の意図が掴めずに、首を傾げる



「理性が効かなくなる…」


総司さんは微かに目元を赤く染め、口元を自分の手のひらで覆い隠していた



「総司さん……」


「……マリア」


「本当に、総司さんが……無事で…っ」


最後の方で声が潤むと、総司さんが苦笑しながら私の頭を撫でる



「その可愛さは反則だな」

「……今すぐここで、襲いたいくらいだが……さすがにここじゃまずいだろ」


総司さんはそう言うと大きく息を吐いて、私の髪に指を絡め囁いた



「……お預け、だな」


「もう、総司さんったら……」






≪第11話:おかえり③へつづく≫









「イケない契約結婚」


白金総司(続編) 第11話:エクストラ 優しい体温



(C)Arithmetic







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~ちょこっと感想~




あ~~やっと、総司さんが無事に戻ってきた…って、実感しますね!


このエクストラは、エクストラにしては物足りな感も、少々ありますが、

総司さん健在ということで、「お預け」でも良しとしましょうかね~~( ´艸`)


でも、ここのシチュって、病院なんだよね~~

(たぶん病院の廊下…)

銀糸が引くほどの、濃厚なキスなんて……(///∇//)


さすがに、総司さんじゃなきゃできないかも……


でもやっと、イチャイチャ、ラブラブ復活!ということで、

テンションがあがってきたマリアです!


あの、第10話があったからこその満足感というか達成感というか…


HAPPY END目指して頑張りま~す!!