続編☆白金総司


第12話:これからも―NORMAL END―






あの事件から、数ヶ月が経った



常務達がいなくなったことにより、業務には大きな影響が出たけれど……

後任を決めたり、引継ぎをしたりとか…


でも、ようやく色々なことに一区切りついたところだった



私は事後処理のために必要な書類を、会長室に持ってきたのだが、

総司さんの姿が見えずあわてて室内を見渡すと、

手前にある応接用のソファに寝転んでいるのが見えた



「総司さん?」


「…………」


(寝てる……?)



近頃、忙しいとぼやく暇もないほどの忙しさだったから……きっと疲れが溜まっているんだろう

私は苦笑しながら、ソファの横を通り抜けようとした、その時、



「……マリア」


「お、起きてるんですか?」


てっきり眠っているのかと思っていたけれど……

静かに顔を覗き込むと、総司さんは額に腕を乗せ動かない……


(やっぱり眠ってる…?)


「……総司さん?」


「………」


(今のって、寝言……?)




私は急いでデスクの上に書類を置いて、そっと総司さんのそばまで行ってみる

そして、その顔を間近で覗き込もうと、彼の横にしゃがみこんだ


規則正しい寝息と、ゆっくり上下する胸……どうやら、さっきの声はやっぱり寝言のようだった



「ふふっ……」


寝言で自分の名前を呼ばれるなんて嬉しくて…

つい笑い声を漏らすと、総司さんが突然声を上げた



「…ん、……マリア?」


「あっ、ご、ごめんなさい、起こしちゃいましたね……」


「……何をにやにやしてるんだ?」



寝ている総司さんの顔を覗き込んでいたことや、起こしてしまったことをとがめられるかと思えば、

総司さんは怪訝そうな表情で私にそう問い掛けた



「に、にやにや……ですか?」


「ああ、顔がにやけてる」
「……もしかして、俺の寝顔を見て笑ってたのか?」


「い、いえ、そういうわけじゃ……」



彼がゆっくりソファから体を起こした

私は、乱れたスーツを整えるのを手伝う



「……じゃ、どうして笑ってたんだ?」


「きゃっ!?」


いきなり腕を掴まれ、ソファへ引っ張り込まれ、総司さんの体の上に乗り上げた体勢になる



「それは……その……総司さんが寝言で―――」


「……寝言? 何だ、言ってみろ」


「寝言で私の名前を……マリア…って呼んだから……なんだか嬉しくて…」


「………」



そう言うと総司さんの言葉が途切れる



恥ずかしくて逸らしていた目線を彼に戻すと、総司さんは微かに目元を赤く染めていた



総司さん、もしかして……照れてる……んっ……」



私はそれ以上言葉を続けることができなかった

次の瞬間には、彼に唇を塞がれてしまっていたから……




「んっ……ちょ、総司さ…」


「うるさい、ちょっとだまってろ」



総司さんはむきになったのか、照れ隠しのためか私をジッと睨んでいた


私はそんな総司さんが、愛しくて、可愛くて……

思わずプッと吹き出して笑うと、総司さんは顔を顰め、



「……まあいい、ふん」


「ふふ、許してくれるんですか?」


「お前には、いろいろと世話になってるからな、しょうがない…」



そう言って私をぎゅっと抱きしめると、再び唇を重ねた



さっき重なった時よりも、ずっと優しく、壊れ物にでも触れるように……


最初は啄ばむように、軽く触れるだけ…のキスを何度も繰り返していたけれど、

次第に激しさがまし、深いものへと変わっていく


やがて熱いものが私の口内に入ってくると、上顎をスーッとなぞり、中を掻き乱していく

舌と舌が絡み合い、熱く甘い吐息だけが部屋に響く



「ん…っ」



体から力がぬけ、何も考えられなくなりこのまま流されそうになった、その時、

重なった唇が離れ、総司さんは私の肩口に顎を乗せた



「……これ以上お前に触れていたら、止められなくなってしまう」

「……このまま家に帰ろう、マリア」



「総司さん……」


私はちらっっと壁に掛かった時計を見ると、13時半をまわったところだった




「……まだまだ仕事が残ってますよ」


「…………」


「14時から会議に顔出しをしたら、業務の引き継ぎ内容の確認と……」


「…PLATINUMに行かないとな」


「ええ」



「はぁー」


総司さんは大きく息を吐いて私の背中に腕を回し上下に撫でる




その手の感触も、触れた総司さんの温もりも…全てが心地よくて……

このままずっとこうしていたいと思ってしまう


総司さんも同じ思いなのだろうか…

私たちは言葉もなく、お互いの体を労わるように、ずっと抱き合ったままでいた


それからしばらくして、総司さんはまるで気合いを入れるように、

背中をポンと叩き私を抱き上げて立ち上がると、ゆっくりと床に降ろしてくれた





「……行くか」


「はい!」


総司さんは優しく微笑むと私に向かって手を差し出した



「これからも頼りにしてる、マリア……」

「これからもずっと俺の傍にいてくれ……愛してる…」


私は返事の変わりに、差し出された手を取り、総司さんの頬にキスをした……








THE NORMAL END ―これからも―

~fin~







「イケない契約結婚」


白金総司(続編) ~NORMAL END~



(C)Arithmetic





※太字下線部分は、本家シナリオにはない文章、セリフとなります。

 私好みによりわかりやすくということから、勝手に妄想を追加させていただいてますので、

 ご了承下さい。




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NORMAL END 無事終了!



最後は、会長室での場面でしたが……


ん~、なんだろ?

ちょっと、今までから比べると、物足りなさ感が残る感じ…かな?


あまりにもさっぱりしすぎてたので、またまた勝手に妄想を追加させていただきましたが……

(できるだけ崩さない感じにしたので、あまり変わってませんが……)



最後まで、総司さんのドSキャラが封印されてしまったようで、ちょっと悲しい(ノ_・。)けど、

甘々総司さんにも、だいぶ慣れたのでよしとしましょうかね~

(もうちょっと、激甘でもよかったんだけど…)

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これは、HAPPY END に期待しましょうか~( ´艸`)