続編☆白金総司
第１１話：おかえり①
「……なんだ、この音……」
「…おい、いったいこれは……」
寂れた社長室の扉が蹴破られ、一瞬 身が竦んだ
「なんだ……と……？」
たくさんの銃口が、狭い入り口から顔を出していた
それに恐れたのか、常務が肩を掴もうとする
「動くな！」
「向かいのビルからも、あんたを狙っている」
俺を人質に逃げようとしたらしい常務は、その言葉で下唇を噛むと諦めたのか腕を降ろし、
そのままその場に崩れ落ちた
部屋の中に向かって銃を構えていた特殊班が、どんどん部屋の中に入っていく
その波が過ぎてから、私も無理矢理、中に入れてもらう
常務や部下が捕らえられていく横で、総司さんはその光景を見つめたまま、床に座っていた
「総司さん！！」
名前を呼ぶと、総司さんがハッとこちらに顔を向けた
「……マリア」
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①会いたかった
「会いたかった！」
怪我一つない、無事な彼の姿を見て涙が出てきた
でも、泣いている場合なんかじゃない
「……ああ、俺もだ」
「だから…そんな顔をするな……」
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②無事ですか？
「無事ですか！？」
見た感じは、別れた時と変わりないように見えるけれど、本当に大丈夫なんだろうか？
「見た通りだ、怪我一つない」
「よかった……」
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③心配させないでください(5UP)
「心配させないで下さい……」
無事な彼の姿を見て、涙が零れそうになって立ち止まる
総司さんはそんな私を見て、困ったように笑う
「……悪い」
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「……お前も、俺のこと随分冷や冷やさせてくれたじゃないか」
彼の腕を縛る縄に手をかける
「冷や冷やしたのは、こっちの方です……」
「本当に、総司さんのことが心配で……」
「どれくらいだ？」
「……寿命が縮むくらいです」
そう答えると、総司さんは私の肩へと額を預ける
目を伏せ、唇は緩やかな弧を描いている
「……お前が危ない目に遭った時の、俺と同じだな」
（総司さんも私と同じ、こんな思いをしていたんだ…）
縄がようやく解け総司さんの手が自由になると、私へと手を差し伸べてくる
「マリア……」
そして、ぎゅっと力強く抱きしめてきた
「総司さん？」
「ずっと…こうしたかった」
彼も心細いと思ってたんだろうか
けれど、急に抱きしめる腕の力が緩む
「マリア」
名前を呼ばれて視線を上げると、力一杯頬をつねられた
「いっ……た！！」
「謝罪はどうした？」
「え？ 謝罪ですか……？」
頬の痛みに涙目になりながら聞き返す私に、総司さんはキュッと眉根を寄せた
「……離婚届、書いたんだろう？」
頬をつねる力が緩んで、総司さんがか細い声で言った
「それは……」
睨まれて小さくなる私に、彼は俯いてため息をついた
「……たとえ、どんな理由があっても、お前にサインなんてさせたくなかった」
「あれだけは、絶対に……」
総司さんにしては、余裕のない声だった
私の肩口に額を寄せると、そのまま動かなくなる
「……どうしたんですか？ まさか、体調が悪いとか……」
「……そうじゃない、ただ……お前のせいでそれなりに消耗した」
「私のせいですか？」
「お前が、離婚するとか言うからだろ……」
「それは、だって……総司さんのことが大事だから・・・」
「ゴホンッ、イチャついているところ悪いが……」
「妬けるなー、本当に」
「……志信に、花代……？」
総司さんが声の方に視線をやると、いつのまにか二人が背後に立っていた
「お前ら、どうして……」
「お前が心配だったからに決まってんだろ」
「僕は、成り行きで…」
「こいつもお前の救出に、一役買ったんだぞ、感謝しろ、総司」
「……花代が？」
「いいよ、別にわざわざ恩を売るためにやったわけじゃないし、それに……」
花代さんの手が私の頬に伸びてきて、目尻をすっと指先が撫でていった
≪つづく≫
「イケない契約結婚」
白金総司（続編）
（Ｃ）Ａｒｉｔｈｍｅｔｉｃ
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～ちょこっと感想～
お帰り～～
やっと、総司さん無事救出です！（ホッ！）
でもね、でもね、ちょっとだけ言わせてもらうと…
絶対ありえない救出だよね？って思うんだけど…
だって、特殊班があの状態で強行に部屋に入るとも思えないし、
その後、特殊班が入ったあとに続いて、マリアちゃん入れてもらった…ってあるけど、
絶対ありえな～～～い！
建物の中にだって入れないでしょΣ(ﾟдﾟ;)
総司さんが、警察の人に抱えられて外に出てくるか、担架に乗せられて出てくるか…
建物の外に出てきたところで、
「総司さ～ん！」
ってのが、お約束かな？と・・・
（勝手に妄想しておりましたが……）
でも、とりあえず無事救出ということで……
「終わり良ければ全て良し」
細かいことはスルーしましょうかね～～σ(^_^;)
