I believe...⑤
目が覚めると、あたりはまだ暗くて…
カーテンの隙間から微かに月明かりが差し込む部屋は、夜の静寂に静まり返っていた
耳元に、スースーと規則正しい寝息が聞こえてくる
私は遼一さんの腕に包み込まれるようにして眠っていた…
(幸せだな…)
遼一さんの整った寝顔を見つめながら、心からそう思える
(もう…あんな思い二度としたくない………だけど…)
ふと、一抹の不安が胸を過ぎる…
(…遼一さんってカッコいいし、有名人だし……綺麗な人 周りにいっぱいいるし…)
(その人たちと比べたら、私なんて…)
『廣瀬遼一の恋愛遍歴!?』
報道のお相手は、モデルや女優ばかり…
今頃になって、あの時の報道が鮮明に蘇ってくる…
(ダメ!ダメ!こんなこと考えちゃ…)
なのに…自然に…目の奥が熱くなり、遼一さんの寝顔が霞んでくる
そしていつの間にか、私は大好きな人の腕の中で小さく肩を震わせていた…
× × × ×
「…ん?」
「マリア…どうした? 泣いてるのか?」
(ビクっ!?)
「………ううん、泣いてなんか…いない…」
私は咄嗟に顔を背ける
遼一さんは、そんな私の咄嗟の行動に、全てを見透かしたかのように強く抱きしめる
そして、抱きしめた手を緩めると私の身体を反転させた
後ろからピッタリと私に身体を寄せ、私の髪に顔を埋めたまま、
「嫌な思いをさせたな…」
「え?」
「オレの過去の報道……見たんだろ?」
「…あ……でも、アレ…酷すぎますよね」
努めて、明るく答える
「……でも、まんざら嘘でもないさ」
「……(そんなこと、聞きたくない…)」
「あの頃のオレは…女なんてうるさいだけ、身体だけの関係でいいと思ってたのは、事実だからな…」
「……」
「あの日は、二人きりで食事したんじゃない、アイツのマネージャーも同席してたんだぜ」
「途中席を外したまま帰ってこなかったけどな…」
(そうだったんだ…)
「他に聞きたいことは?」
今まで私を抱きしめていた腕が解かれ、身体中にその手が伸びる
「…アッ…」
「で、でも…あの写真…キスしてた…」
「キス?」
「誰かに呼ばれたんだよ、あの時…振り返ったらそこに顔があった、そん時に唇が触れた、それだけだ」
「……」
「ほんの一瞬の出来事で、触れたかどうかなんてわからなったぐらいなんだけどな、あんなに上手く撮れてたとはな・・・ふっ」
遼一さんは、呆れたように笑う…
報道の真相が、スクープ写真の謎が少しづつ繋がっていく
と同時に、さっきまで頭に浮かんでいた不安が嘘のように消えていった…
「それに…マリア…」
「え?……!?」
後ろからピッタリと寄せた身体から、腰の辺りに遼一さんの熱く硬いモノを肌に感じる
「あっ……」
私は無意識のうちに、その感触から逃れようと一瞬身をよじるけれど…
より強い力で押えられて…しまった
そして…
「オレは、もうお前にしか勃.起ねえ(たたない)から…」
(!?)
「この責任はちゃんととってもらわねーとな…」
「えっ、アッ・・・ンッ…」
遼一さんの手が、私の顎を掴むと、すぐに唇が重なった
深く激しくかさなりあい、何度も何度も角度を変えては私の唇を、味わうように舌を絡めてくる
「…ん…んっ…」
(私は、何があっても遼一さんを信じているから…)
(迷わずに、あなただけを ずっと……信じてるから…)
× × × ×
「マリア…愛してる…」
(この先、何があろうとオレの隣にはお前だけだから…)
(何があっても信じていて欲しい…オレにはお前だけだから……)
× × × ×
窓に差し込む優しい月明かりが、徐々に白んでいく中で…
私は、遼一さんの熱を身体の奥に感じながら、夜の静寂の中で、再び甘い吐息を漏らした…
I believe...
~fin~
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最後まで、読んでいただきありがとうございましたm(_ _ )m
はぁ~このお話を書き始めたときは、ため息でいっぱいだったのですが…
おかげさまで、無事立ち直りました~≧(´▽`)≦
(だって、しょうがないもんね…)
たくさんの方からの、応援メッセや励ましのコメなど…
本当に本当にありがとうございました!
でも…
現実の出来事から、こんな妄想するなんて…
私って…
かなり ヤバイ、イタイ子ですよね~(><;)
ゴメンなさ~い!!