I believe...






目が覚めると、あたりはまだ暗くて…
カーテンの隙間から微かに月明かりが差し込む部屋は、夜の静寂に静まり返っていた




耳元に、スースーと規則正しい寝息が聞こえてくる

私は遼一さんの腕に包み込まれるようにして眠っていた…


(幸せだな…)


遼一さんの整った寝顔を見つめながら、心からそう思える


(もう…あんな思い二度としたくない………だけど…)

ふと、一抹の不安が胸を過ぎる…


(…遼一さんってカッコいいし、有名人だし……綺麗な人 周りにいっぱいいるし…)
(その人たちと比べたら、私なんて…)


『廣瀬遼一の恋愛遍歴!?』

報道のお相手は、モデルや女優ばかり…


今頃になって、あの時の報道が鮮明に蘇ってくる…


(ダメ!ダメ!こんなこと考えちゃ…)


なのに…自然に…目の奥が熱くなり、遼一さんの寝顔が霞んでくる



そしていつの間にか、私は大好きな人の腕の中で小さく肩を震わせていた…




×  ×  ×  ×




「…ん?」
「マリア…どうした? 泣いてるのか?」

(ビクっ!?)

「………ううん、泣いてなんか…いない…」

私は咄嗟に顔を背ける



遼一さんは、そんな私の咄嗟の行動に、全てを見透かしたかのように強く抱きしめる

そして、抱きしめた手を緩めると私の身体を反転させた



後ろからピッタリと私に身体を寄せ、私の髪に顔を埋めたまま、


「嫌な思いをさせたな…」

「え?」

「オレの過去の報道……見たんだろ?」

「…あ……でも、アレ…酷すぎますよね」


努めて、明るく答える



「……でも、まんざら嘘でもないさ」

「……(そんなこと、聞きたくない…)」

「あの頃のオレは…女なんてうるさいだけ、身体だけの関係でいいと思ってたのは、事実だからな…」

「……」


「あの日は、二人きりで食事したんじゃない、アイツのマネージャーも同席してたんだぜ」
「途中席を外したまま帰ってこなかったけどな…」

(そうだったんだ…)

「他に聞きたいことは?」



今まで私を抱きしめていた腕が解かれ、身体中にその手が伸びる

「…アッ…」


「で、でも…あの写真…キスしてた…」

「キス?」
「誰かに呼ばれたんだよ、あの時…振り返ったらそこに顔があった、そん時に唇が触れた、それだけだ」

「……」

「ほんの一瞬の出来事で、触れたかどうかなんてわからなったぐらいなんだけどな、あんなに上手く撮れてたとはな・・・ふっ」


遼一さんは、呆れたように笑う…


報道の真相が、スクープ写真の謎が少しづつ繋がっていく

と同時に、さっきまで頭に浮かんでいた不安が嘘のように消えていった…



「それに…マリア…」

「え?……!?」

後ろからピッタリと寄せた身体から、腰の辺りに遼一さんの熱く硬いモノを肌に感じる


「あっ……」


私は無意識のうちに、その感触から逃れようと一瞬身をよじるけれど…
より強い力で押えられて…しまった


そして…


「オレは、もうお前にしか勃.起ねえ(たたない)から…」

(!?)

「この責任はちゃんととってもらわねーとな…」


「えっ、アッ・・・ンッ…」

遼一さんの手が、私の顎を掴むと、すぐに唇が重なった

深く激しくかさなりあい、何度も何度も角度を変えては私の唇を、味わうように舌を絡めてくる


「…ん…んっ…」


(私は、何があっても遼一さんを信じているから…)
(迷わずに、あなただけを ずっと……信じてるから…)

「マリア…愛してる…」

(この先、何があろうとオレの隣にはお前だけだから…)
(何があっても信じていて欲しい…オレにはお前だけだから……)



×  ×  ×  ×




窓に差し込む優しい月明かりが、徐々に白んでいく中で…

私は、遼一さんの熱を身体の奥に感じながら、夜の静寂の中で、再び甘い吐息を漏らした…



 

I believe...






~fin~









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最後まで、読んでいただきありがとうございましたm(_ _ )m



はぁ~このお話を書き始めたときは、ため息でいっぱいだったのですが…

おかげさまで、無事立ち直りました~≧(´▽`)≦


(だって、しょうがないもんね…)


たくさんの方からの、応援メッセや励ましのコメなど…


本当に本当にありがとうございました!




でも…

現実の出来事から、こんな妄想するなんて…
私って…
かなり ヤバイ、イタイ子ですよね~(><;)


ゴメンなさ~い!!