~第6話:喧嘩とピンチ④~  by 白金総司





①図星ですね

②違いましたか?

③調子に乗ってすみません(5UP)



「冗談です…調子に乗ってすみません」


「……嫉妬したら悪いのか?」


「え?」


「妻が他の男と食事して、おもしろいわけないだろう…」


総司さんの頬が、さっきよりもさらに赤くなる


「私…総司さんはただ後継者になる条件のために私と結婚したんだと思って…」

「だから、沢渡くんとランチしたのを怒られたのも、自分の名前に傷がつくからだと…」


「そんなわけないだろう」


「だって、私がすることは全て総司さんに跳ね返ってくる、って言ったから…」


「……あんなのは、口実だ」


「え?」


「お前は俺と結婚してるんだからな、他の男のことなんて見るな」


(今までなら、ここは「お前は俺の奴隷なんだから」だったはずだ…)

(でも、「妻だから」「結婚してるんだから」って言ってくれた)


「私…総司さんと結婚してからは、総司さん以外の人のことなんて見てません」


「知っている」


「それなら…」


「それでも、面白くない」


抱きしめられていた腕が緩み、後ろから髪を撫でられた

振り向くと、そっと頬に唇が押し当てられる


私は…自分から、総司さんにキスをした…


「今日は大胆だな」


「だって……もう、慣れました」

「総司さん、すぐ『俺が喜ぶことをしろ』って言うから…」


「このくらいで、俺が喜ぶと思うか?」


「それは……」


私は体制を変えて総司さんの首に腕を回し、より深いキスをする…

総司さんは、満足気に私を抱きしめてくれた

そして、後頭部を支えられて、優しく激しいキスが繰り返された


「そ、総司さっ……」


「……ずっと、お前の言った言葉が気になっていた」


「え?」


聞き返した言葉に対する答えはなく、かわりに身体を持ち上げられる

姫抱きにされて、そのまま寝室に連れて行かれた


総司さんが、優しくそっと私の身体をベッドに横たえてくれる


「……最初に言っただろう、愛し合っていなければダメだと…」


「あ……」


「今は……?」


「今、は……」


言葉にはできなくて、そのかわり……

私は手を伸ばして、総司さんのシャツのボタンを外した


「…それが答えだと思っていいのか?」


「総司さんは私のこと…どう思ってるのか、答えてくれたりしませんよね…」


「それは…俺の態度から学べ」


荒々しく唇を塞がれて、息をするのも苦しくなるくらいだった

お互いの呼吸が荒くなり、総司さんの手が器用に私の服のボタンを外していく


(私…ずっと、総司さんとこうなること…望んでたのかも…)


その証拠に、最初に会った抵抗感が全くない

それどころか……総司さんの熱を帯びた手が身体に触れるたび、胸が締め付けられるような気持ちを味わった


「…っ、……総司さんっ…」


「マリア……」


お互いの名前を呼ぶ声は、広い寝室にゆっくりと解けて消えた…




×  × (エクストラシナリオ発生) ×  ×








イケない契約結婚  (C)Arithmetic