こんな天気が一生続けば良い。昼は暖かく程好い風が吹き、夜は肌寒く夏の気配と春の気配に挟まれた空気の匂いがする。一年中そんな中で暮らせる国があれば必ずそこに住むのに、なんて考えている。でももしそんな国に住んでしまったら夏の蜃気楼越しの車の姿や冬の芯まで冷える寒さが恋しくなると思う。よく人間は勝手だから夏には冬を恋しがり冬には夏を恋しがる贅沢な生き物だなんて言うけど自分は毎年そんなことを考えるタチである。ドラえもんの道具にそんな願いを実現してくれるのがあった気がする。忘れた。結構色々忘れた。その度に情報を脱脂綿のように頭に詰め込んでまた忘れる。脱脂綿はいつの間にか腐っている。言いたいことも言えないこんな世の中じゃ実にポイズンである。

そのポイズンの曲とミッシェルのキラービーチ、リフが似ていると思う。
「覚悟」という言葉の定義について考えている。何かを固く決心して断固たる態度で取り組むこと。小さな覚悟は無意識のうちに、大きな覚悟は悩みに悩んでまるで強力なテープの粘着の部分を徐々に徐々に切っていくように決める。ここにいればなんとかなる。良くも悪くもない65点のテストみたいなポジションを何時も必死に探し、自分が不利にならないように小さな嘘は進んでついて大きな行動は起こさず人の目を気にして誰かの踏んだ轍の上を歩いて来たようなもんだ、どうしょうもねぇなんて思ってきたけど誰かの美しい覚悟や損得勘定をしない決断力、はたまた人間力と呼ぶべきかを目の当たりにして自分の中の汚い何かが焼かれる思いだった。先日の話。
ものがない時代の人の想像力というのは果てしなかったと思う。現代を生きる僕達はあまりにも多くのものを見すぎてあまりにも多くの音を聞きすぎてあまりにも多くの何かを理解してしまったのだと思う。
身近な話に置き換えると自分は中学生のときが一番想像力豊かだったと思う。何も知らず、難しいことは理解しようともせずただのうのうと生きていたあのとき。授業中に女子がこっそり回すあの小さい紙には何が書かれているのだろう、陸上部のユニフォームは何故あんなに破廉恥なのだろう、そんなことだけを考えて脳内帝国はどんどん大きくなっていった。そのとき同時に音楽を聴き始めた。自分もいつかバンドを組みたいと思い密かに作詞をしていた。そしてそのノートを昨日見つけた。書かれていた内容は事件であった。まず、全てがラップ。「止めることのできない台風、俺たちはまさに闘牛」などと書かれており、オレンジレンジやドラゴンアッシュに絶大な影響を受けたのがうかがえる。そして勝手に考えていたバンド名が「インフィニティ」だった。これはブラックヒストリーである。
果てしなくオルタナティブな話である。