2011 東京タワー「オレンジノート」アカペラ | ももクロ→エビ中→東北産の魅力

ももクロ→エビ中→東北産の魅力

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PAが故障してもアカペラで最後まで歌いきったという、2011年の東京タワー近くで行われたライブでの「オレンジノート」のパフォーマンスは、「ももクロchan」で配信・放送・DVD販売され、その後、Mステでも放送されたので、ももクロの有名な伝説になっています。

この出来事は、ももクロは生歌だから素晴らしいという文脈で伝説として語られることが多いようですが、私的には違う見方をしています。
PA故障時には生歌ではかったと思いますし。



7月31日、アルバム「バトルアンドロマンス」の発売記念イベントとして、東京タワー正面イベント会場にてフリーライブ「見上げれば東京タワー そうだ!アキレス腱を伸ばそう。」が開催されました。
そしてアンコール前のラストの「オレンジノート」の途中で、バックトラックが止まってしまうというハプニングが起こります。
しかし、マイクは生きていたので、メンバーはそのままアカペラで最後まで歌い続けました。

ファンは手拍子で参加し、あーりんが「一緒に歌って」とファンに向かって叫ぶと、ファンも徐々にそれに呼応して大合唱となり、会場は一体感に包まれました。

確かに、生歌で歌うことに慣れていたから、ももクロはアカペラで歌えたのでしょう。

しかし、生歌うんぬんということよりも、ファンを楽しませたいという気持ちの表れだったことが素晴らしいと思います。
この日は、野外ライブなのに雨がちで、時折大降りになる天候で、フリーライブとは言え、そんな中で集まってくれたファンに対して、少しでも楽しんでもらいたい、という思いがあったのだと思います。

また、すぐさまアカペラをやるような即興的な判断力だとか、あーりんの「一緒に歌って」や、有安の「しおりんの生ラップいくよ」などの呼びかけだとか、演奏部分も声でやってしまうとか、ももクロはライブ慣れをしたグループで、ファンをのらせて一体化することができるグループであるということが示せた事件でもありました。

以前にもPA故障など当たり前にあったのだと思いますが、「Z」になって、ZEPPツアーや極楽門のライブを成功させて自信もつたことで、アカペラでの対応もできるようになったのでしょう。
また、ハプニングに対するももクロの対応に、ファンも気持を動かされてそれに答えたのでしょう。

つまり、ももクロが成長し、ファンとの絆も深められた、そういうことを示したがゆえに伝説なのだと思います。

また、運営に対して、ももクロの生歌力を改めてアピールすることにもなったかもしれません。
そして、「生」という人間力が人をひきつける力を再認識させたかもしれません。


PA故障時にメンバーは生歌で歌っていた、中でも、有安は歌うことを止めなかったと思っている人も多いようです。
しかし、それは違うと思います。

現場にいたわけではないのですが、「ももクロchan」の音源を元に、私見を書きます。



* 1:14~アカペラ  それにしても、上手ですね


「駆け出した 気持ち届くの 言葉は空に消えてゆくよ」の「駆け出し」でPAの音が止まります。
その直後の「た」を歌ったのは、一人で、結構大きな声でした。

「駆け出し」で急に音が止まって、即座に「た」を歌うことをやめることはできないないと思います。

だから、これで分かることは、この時のコーラス部分は、録音されたコーラスを流していたということです。
マイクの音量はフルでオンの状態で、この部分は各メンバーの判断で歌っても(被せ)、歌わなくても(口パク)よかったということです。

そして、この時に歌っていたのは一人だったということです。


コーラス部分を一人歌っていたのが誰だか自信がないのですが、私には夏菜子か、れにちゃんの声のように聞こえます。

次の「気持ち届くの」の部分は、先ほどの「た」を歌った人が、「気持ち…」と歌いながらフェイドアウトして、一旦、歌うのをやめたように思います。

これと入れ替わるように、一人誰かが、この部分を反射的に歌い出します。
これも自信はありませんが、杏果でしょうか。

続いて、杏果は「言葉は空に消えてゆくよ」をしっかりした意志を持って歌うようになります。
杏果は歌い続けようと他のメンバーに促しました。
これを受けて、他のメンバーも歌い始めます。

少し後に、川上マネージャーが「最後まで」と指示します。
運営サイトが最初から故障を仕組んだという人もいますが、スタッフがあせっていたという証言もありますし、さすがに違うでしょう。


また、PA故障前の部分を聴くと、この曲のソロ部分も、あらかじめ歌が録音されたトラックを流しているように聞こえます。

しかし、「ももクロchan」を見ると、この日の「キミノアト」は生で歌っていました。
つまり、このライブでは、曲によって生歌だったり被せだったりしたのでしょう。

もちろん、生歌じゃないからといって、騙したり、隠したりしているのではありません。


私的には、ライブではソロ部分は生歌がいいと思います。
また、生歌で歌っていたのに、うまく歌えなかったからといって、DVDなどで商品化する時に、差し替えるのもやめて欲しいと思っています。(差し替えについても、隠していません)

しかし、すべての曲でコーラス部分まで生歌がいいかというと、その分ダンスやソロ部分に注力してもらった方がいいんんじゃなかという気もします。

ちなみに、エビ中では、瑞季がコーラス部分もしっかり歌っているので、頑張り過ぎで心配だという運営サイドの話を読んだ覚えがあります。


ということで、この事件は、生歌うんぬんよりも、ファンを楽しませて一体化するライブ力のあるグループとしての成長を見せたももクロの伝説、として受け止めています。