2012 ももクロ 初紅白 | ももクロ→エビ中→東北産の魅力

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次は紅白ということで。
皆さん良くご存知だと思いますが、記録として、そして、新規の方に向けて。
長くなるので、出場発表前後の話は書きません。


昨年、ももクロはライバルとされてきたSKE48(*1)と共に念願の紅白初出場を果たしました。

ただ、紅白出場を向えたこの時、業界では、ももクロとAKBとの対決という見方をしている人の方が多かったでしょう。
結果的には、視聴率では初出場の注目もあってか、ももクロは先に登場したにもかかわらず(後の方が視聴率が高くなる傾向がある)、AKBを上回り、業界に衝撃を与えることになりました。

紅白本番ではSKEが先にパフォーマンスをしましたが、元体操選手のアクロバットとバレーダンスの元プロフェショナルによるパフォーマンスを取り入れて、「ももクロつぶし」に来ました。

ところが、ももクロは、紅白でのパフォーマンスに当たって、『怪盗』での早見あかり一人に向けたメッセージの演出に注力していました。
「アカリのハートをいただきます」が目標だったのです。

ももクロは6人で一緒に紅白出場すること(早見の脱退以降は、早見が審査員として)を目標にしてきたので、早見に何らかのメッセージを送る演出をすることは理解できます。

しかし、多くの人に向かって自分達をアピールできる紅白の場で、早見一人に向けた演出に注力するというのは、結構な判断でしょう。

ももクロのメンバーは、純粋に 早見にメッセージを送りたいという思いで、演出を提案したのでしょう。
運営サイドは、これが「ももクロらしい」、そして、「物語」としてモノノフや紅白新規に訴えかけることができる、と判断したのでしょう。


当日、『QUICK JAPAN』106号によれば、早見は「死ぬ気で頑張って来い」とメンバーにLINEではっぱをかけたそうです。
それに対しての夏菜子の返事は、衝撃的だったと早見は言います。

「あかりん、あかりん、あかりん、あかりん、あかりん、あかりん、あかりん、あかりん、あかりん、あかりん、あかりん、あかりん…行ってくるぜっ!」

また、佐々木は早見に対して、まばたき禁止令を出しました。
つまり、早見へのメッセージは、一瞬の演出で行うものだったからです。


ももクロはメドレーで『サラバ』に続いて『怪盗』をパフォーマンスし、歌詞の中のメンバーコールに「アカリ」を入れました。
この瞬間、上から狙っていたカメラに対して、メンバー全員がカメラ目線で指をさし示し、同時に、早見がいた立ち位置に青いスポットライトを当てました。



この時、メンバーはカメラ(早見)に対して「ドヤ顔」を示したと、夏菜子は言っています。

メッセージは、「かつてのあかりんの想いと一緒に出場した」、「今もあかりんと一緒」、「どう、この演出で泣いちゃうでしょ!」、「私たちは出場したよ、次はあかりの番!」でしょう。

『怪盗』の時の衣装は、胸の「Z」マークのところに装置がつけられ、『怪盗』のパフォーマンスと共にそれを開いて(「Z」が隠れて)、青いライトが点滅して光を放ちました。
これは早見(の想い)を胸に、「Z」以前に戻って一緒に出演したことを示しているという解釈もなされましたが、衣装の米村弘光さんがツイッターで「地球」を映すライトだったと説明しました。

ステージ横で出待ちをしていた、ももたまい推しのPERFUMEの のっちは、この「アカリ」に気づき、グッと来たそうです。

舞台と楽屋をつなぐ通路は、マスコミが待ち受ける場所でもあり、出場者は皆、早足で駆け抜けるそうです。
しかし、舞台から降りたももクロは、ここで川上マネージャーと抱き合って泣いていたそうです。
(夏菜子がマスコミ取材からメンバーを守りながら)

この時、ももクロは次に舞台に向かうAKBとすれ違います。
しかし、ももクロにはAKBの姿は目に入らなかったでしょう。

メンバーは号泣しながら「あかりん、あかりん」と言っていたそうです。
早見にメッセージが伝わったかどうか、それだけが気がかりだったのでしょう。

このことは、ガチ夏菜子推しのAKBの松井咲子が明かしてくれました。

楽屋に戻ったももクロは、すぐに早見に電話し、スピーカーフォンで会話をしました。
この時、夏菜子は、次のように早見に話しました。

「見た? ウチらのレニ、カナコ、アカリのドヤ顔」
「泣いたでしょ、絶対泣いたでしょ?」

早見は答えました。

「泣いた」
「感動をありがとう」

もちろん、早見はももクロが画面に映った時点から泣いていたのですが。

早見は、年を越して1月に、進学をやめて女優に専念し、死ぬ気で頑張ること、そして、司会者としてももクロと一緒に紅白に出ることを目指すと語りました。
「審査員」から「司会者」(*2)に目標を上げたのです。

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ももクロは、もう一つ、メッセージを用意していました。

ももクロは、紅白出場が決まってから、「紅白の向こう側」ということを語るようになっていました。

実は、ももクロは、紅白に先がけて行われたリハーサルで、謎の数字が書かれたTシャツを着用しました。
熱心なモノノフは、これが国立競技場の経度緯度であることをつきとめます。
この時点で、「紅白の向こう側」を暗示するメッセージを送っていたのです。

ももクロは、『怪盗』のパフォーマンスを「行くぜっ、星空の向こう側!」と叫んで始めました。
これは、「紅白の向こう側」を言い換えたのでしょう。

歌詞から考えて、「星空の向こう側」の意味は、「きらめくみんなの瞳」であり「ハート」でしょう。
メンバーが胸につけた「地球のライト」は、「星空」との対比で、その形状から「瞳」であり、胸にあることから「ハート」を象徴していたのでしょう。



つまり、日本中の(地球中の)「みんなのハートをいただきます」宣言です。
それが出来て初めて、「紅白の向こう側」が見えるということになります。


翌日の元旦には、ももクロは、国立競技場でのライブを目指すという新しい目標を宣言をしました。
紅白の向こう側は自分たちで作るんだ、という言葉と共に。

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紅白のエンディングには、時間の制限で高城と百田だけが出場しましたが、この時(エンディングの前から)は、インディーズ・デビュー曲の『ももいろパンチ』の衣装でした。
「初心とともに、紅白への長い間の想いと共に紅白に出場した」、そして、「紅白出場を果たしても初心のまま、自分たちは変わらない」というメッセージでしょうか。

しかも、衣装に青いリボンを結んで、ここでも早見と一緒をアピールしました。



高城は舞い降りてきた紙吹雪を受け止めようとしていましたが、これは、この場に残れなかった3人のメンバーに渡してあげたいという思いからでした。
3人は、今でもこれを大切にとっているそうです。



*1
ももクロは、同じ月にメジャーデビューした東京女子流とスマイレージ、そして、同年結成でAKBグループの中ではダンスを特長とするSKE48がライバルだと言われてきました。

実際、アイドル界の対バン番長と言われるももクロは、この3グループと何度か同じステージでの勝負を繰り広げてきました。

2010年8月には「アイドルユニットサマーフェスティバル2010」でSKE、スマと共演しましたが、対バン意識のなかったSKEは、共演の結果に、危機感を持ったようです。
松井珠理奈がももクロのステージを見て悔し泣きをしたとか。
(ももクロ側も、演出力に差を感じて、佐々木アマを引き込むことになります。)

10月には、SKEの本拠地「SUNSHINE SAKAE」でももクロが女子流をシークレットゲストにしたライブを設定しましたが、どうやらSKE側が圧力をかけて、会場変更となりました。

と言っても、メンバー同士は仲が悪いわけではなく、SKEでもガチ有安推しの松井玲奈は、紅白出場会見の際、ももクロの隣で、終始モノノフ目線で微笑んでいたように見えました。

*2
ももクロは嵐のようなグループを目指していると日頃から言っています。
紅白のステージに司会者としてももクロを送り出したのは、その嵐です。

ですから、ももクロも、紅白の司会者を目指すと公言しても良いはずです。
これを言わないのは、ひょっとしたら早見への配慮なのかもしれません。
(先日、高城は、綾瀬はるかのモノマネの流れで司会をやりたいと言ってしまいましたが…)

6人が一緒に司会をする、という究極の目標を夢見ている人も多いはずです。