先日カムバックをしたSMエンターテイメント所属の5人組女性グループのRed Velvet



アルバムのタイトル曲『Chill Kill』は、レドベルの魅力の一つであるダークでシリアスな世界観がMV及び楽曲で表現されている事がかなり高評価を得ているように思う。

常々思うんだけど、K-POPの芸術性、表現力は本当にすごい。レドベルかて女性アイドルですぜ。



そんなこの曲について、『レドベルがドリルをやってる!』と一部ファンが言っていて、へーそうなんだ!と思った。実はわたくし、ドリルという音楽を知ってはいたものの、あくまでリリックの特色が強いだけでビートの特性があると知らなかったのです。



そういえば、シュチタでユンギが『Haegeum』について『ドリルをやりたかった』って言ってたなぁ、と思い出して、なるほどそういうサウンドなのか!と気づきましたです。



一番耳につくのが、スライドベースと呼ばれるらしい、ウネウネ唸るベースサウンド。ハイハットひトラップのようなあからさまな連打は控えめで、より細かく刻む感じ。イギリスにて進化を遂げた音楽なので、どこかガラージやグライムのようなリズム。全体的に重たいビート。これが音楽としてのドリルの特徴になるっぽい。

なるほど確かにChill KillのAメロもそんな感じだ。ただ、BPMは抑え目なので、あくまでドリルの要素を取り入れたって感じかな?



そんなドリルミュージックでございますが、音楽としての特徴はわかったとして、どんな出自の音楽かというと…


ドリルは超凶悪、行政から規制されるほどの音楽


なのです。



詳しくは上の動画及びRap EJさんの他の動画を見てほしい。日本でわかりやすく例えるならば、炎上系、かなぁ?

ラッパーがマジの人殺しをして逮捕されまくるし逆に殺されまくる、そして殺された敵の名前を『ざまぁ!』みたいな感じでラップする、曲中で敵をとにかくディスりまくったり脅迫する…そんな音楽がドリルミュージックの歌詞であり、生まれた背景である。

例えばかつてのギャングスタラップも暴力的で権力からの圧力もあったと言うが、それでも一線を超えたのは2pacとBiggieの件くらいだ。それがドリルは際限がなく、文字通りやりたい放題って感じ。個人的にはそこに何のアーティスティックみを感じないし、さっき言ったように、とりあえず注目を浴びたいという意味では炎上系YouTuberとさして変わらんのかなぁとも思う。



ただ、あくまで音楽は彼らのライフスタイルをレペゼンするものであって、音楽が先にあるわけではない…んだけど、どうなんだろうね?音楽が一般的に人気を得る事で、音楽が引き金を引いてしまうケースもあると思うんだよなぁ…。


リリックや音楽外の事はアレとして、音楽としては既にポップミュージックに組み込まれており、アメリカやイギリスをはじめ世界で人気の音楽となっているドリル。そんなドリルを取り入れるK-POP、ドリルを乗りこなすレドベルは、すごいなぁ、と思いました。