多分、年はそんなに変わらないと思うけど。
あれから暫く経つのに。
涙ぐんだ顔も、微笑みも、忘れられなくて。
初対面の俺の前で泣くなんて。
あの時、よっぽど辛い事があったのかもしれない、、、。
もうそろそろ閉店時間。
店を閉めようと外に行くと、、、人影。
誰かと待ち合わせしているようでもない。入ろうか入るまいか迷っているようで。
閉店時間だから入りにくいのかな?
あの、何かご用があるのではないですか?
よろしかったらどうぞ、、、?
振り向いたのは、、あの男性で。
ああ、こんばんは。
、こ、こんばんは、
俺の声にびっくりして、少し慌てた様子で。
どうかされましたか?
中にどうぞ?
あ、あの、
はい。
指輪の事ですか?
中に促してもなかなか入ろうとしない。
?
何か、、、あったんですか?
、あの、、、お店の用じゃないんです。
はい?
、貴方に、、、。
個人的な用、ですか?
、、、はい、、、。
どうしよう、、、俺自身、迷っていた。
あまりお客様と馴れ合うのはよくない。
仕事上の付き合いなら、割り切って接客出来るのに、、、。
あの、、突然すいませんでした。
俺の迷いがわかったのか、男性はそのまま帰ろうとした。
、、、もしかして、また何かあって、、泣く?、、のか?
お客様!
後ろから声をかけて。
振り向く男性。
あの、、今日はまだ今からも仕事で。
、はい、、、すいませんでし、
明日!
えっ?
明日なら閉店時間より少し早めに仕事が終わります。
夕方でよければ。
、ほんと、ですか?
はい。
この先にカフェがあります。
ご存知ですか?
はい、わかります。
明日、そこで待っていて下さい。
仕事が終わったらすぐ行きますから。
、いいんですか?
大丈夫?
はい。
大丈夫です。
わかりました。
じゃ、また明日。
おやすみなさい。
、おやすみなさい、、、。
その男性は安心した様子で帰って行った。