少し、躊躇したけど。
キュヒョンもいるし。
思い切って入る。
一番奥の窓際に俺達は座った。
メニューを見ながら、カウンターの方を気にかける。
あの人が、いた。
お盆に水を乗せて、にこやかにこっちにやって来る。
早速のご来店、ありがとうございます。
これまた爽やかに、そして、にっこり微笑む。
、会社から近いので帰りに寄ってみようかと思って。
こちらは同じ会社の方?
あ、はい。
、あの、何かおススメはありますか?
お食事もされますか?
ここの軽食、どれも結構美味いよ?
ま、俺が作ってんじゃないけど。
結構美味いじゃなくて、本当に美味しいって言ってくれよな。
近くのテーブルに来ていたもう一人のウェイターさんが一言言って去って行った。
、あ、そっか、、悪い。
えっと、そう言う事だから、どう?
パスタとか、ビーフシチュー、オムライスとかイケるよ?
時間があるならコースでおススメするけど、どう?大丈夫?
あ、はい。
お連れの方は?
大丈夫ですか?
ええ、構いません。
コースもいろいろあるけど、この店のおススメで。
ありがとうございます。
では、少々お待ちください。
あの人が行った後。
キュヒョンが、
お前のお目当はあの人だな?
俺をだしに使ったなぁ?
、あ、バレた?
けど、ダシに使うだなんて人聞きの悪い。
初めての店だから入りにくかったんだよ。
ここ、奢ってやるからさ、機嫌直せよ。
キュヒョンが呆れたように、
ま、いいけどさ。
せめて馴れ初めを教えてくれよ。
名前はなんて言うんだ?
、、、名前?
、名前、、、。
お前、それも知らないのか?
え、だって、、、、、。
それから、キュヒョンにあの人の事を話し始めて。
あの人が注文の品を持って来るたび、二人の話し声がやんで。
変わりにキュヒョンがマジマジとあの人を見たり。
様子がおかしい不審な二人、、、。
にも関わらず、あの人は普通に微笑んで対応してくれた。
会計も、あの人がレジにいて。
どう?
食事美味かった?
正直、この人の話や様子ばかり気にして、味の方はあまり気にしてなかったけど。
どれも美味しかったですよ。
結構ボリュームもあって、満足しました。
良かった、ありがと。
気に入ってくれたなら、たまには来て?
これ、コーヒーのサービス券、お連れの方にもどうぞ。
ありがとうございます。
今日はもう帰るの?
えっ?
あ、はい。
アルコールはイケる口?
はい、大好きです!
、ははっ、、その返事、本当に好きなんだなぁ。
この近くに友達がやってるバーがあるんだ。
良かったら、そっちも行ってみて?
この名刺、見せたら一杯タダにしてくれるから。
もちろんお連れの方もね。
渡された名刺。
ここのお店の、、、この人の名刺、、、?
、ユノ、さん?
そ。
ユノからの紹介って言ってくれたらいいから。
、ありがとうございます。
こちらこそ。
昼間は女性客の方が多いけど、夕方以降は男性客も多いから気兼ねなくまた来て?
はい、ありがとうございます。
こちらこそ。
またのご来店、お待ちしています。
店を出て。
さっきのあの人の微笑み。
余韻に浸って。
良かったじゃん。
名前も分かったし。
俺が付き合ってやったおかげだぞ?
うん!ありがとう、キュヒョン!
早速飲みに行く?
この後も奢ってやるからさ!
やったー!
行こう、行こう。
チャンミンの太っ腹!
俺達は上機嫌で、ユノさんから教えてもらったバーに向かった。