ユノはスランプから脱出できたのか、アトリエ兼自分の部屋から出てこなかった。
出てくるのは、食事か、トイレか、お風呂かって感じ。いつも、油絵の独特な匂いを漂わせていた。
ユノの部屋をノックする。
ユノ、ご飯出来たよ、食べる?
ん、ありがと、行くよ。
ユノはアトリエに僕を入れない。
ユノの神聖な仕事場だから、僕自身も自分から入らないようにしている。
ユノがいて、入っていいよって時には入るけど。
ユノが出て来てテーブルの席に着く。顔色が悪い。
ユノ、大丈夫?
一生懸命になるのはわかるけど、あまり無理しないで。
ん、でも、時間が無くて、
時間?
今急ぎの仕事入れてないんじゃなかったの?
あ、う、うん。
年明けすぐ出す仕事、忘れてて、
ユノ、今油絵描いてんでしょ?
仕事用の挿し絵は水彩画じゃないの?
俺だってたまには油絵の仕事引き受けてるよ。
、、、油絵、描くの大変だよね、
うん、だから時間なくて。
ごめん、ご馳走さま。
もう、いいの?
ほとんど食べてないじゃない。
ん、ごめんな。
今筆が乗ってる時だから、描きたいんだ。
ユノはまた、部屋にこもってしまった。