いきなり、知らない奴と恋人ぶるなんて無理だ。芝居だと割り切ってる方がまだマシかも。
チャンミンは優しいし、可愛いとは思う。こんな奴が恋人ならと思う。でも、今の状況は、自分から自然と好意を寄せて一緒にいる訳じゃない。初めから恋人だからと言われて一緒にいるだけだ。
やっぱり、駄目だ。
ショッピングモールからの帰り、チャンミンに伝える。
チャンミン、
何?
やっぱり、こんなの不自然だ。
俺、今はお前と付き合えない。
…、ユノ、
ごめん、悪い。
チャンミンは何も言わなかった。ただ涙を流しながら車を運転し、俺の部屋まで送ってくれた。
次の日、玄関ドアの前に、チャンミンの部屋に置いてあったであろう俺の荷物が運んであった。段ボールに、キチンと整理されて入れてある。
段ボール一箱で、俺は恋人であったであろう奴と別れた。
帰り際、チャンミンは言った。
会社は一緒なんだから普通の同僚としては付き合ってよね。
…、いいのか?
気まずいのは嫌だから。
わかった。
ユノ、今までありがとう。無理させてごめんね。
俺こそ。お前が愛したユノに戻れなくてごめんな。
僕の中では、今のユノもユノだよ。どんなユノでも、僕はずっと覚えている。今のユノの分まで、今までのユノも覚えているから。今のユノより、僕の記憶は永遠だから。幸せだったよ、ありがとうユノ。