扉が開いた。
ヒチョル、こっちだ。
ユノ、待たせたな。
席に着き、早速乾杯。
お帰り、ユノ。
…、ただいま。
ふっ、素直だな。
悪いか?
悪くない。少々調子が狂うけどな。
やな奴。
…、本当、お前が戻るつもりになってくれて良かったよ。長い事待たされた。
すまない。
企画課は今、ドンへに任せてる。課長代理としてな。何とか頑張ってくれてる。
営業課は?
シウォンに任せてる。顔が広いからな。売り込みには適任だろう。けど、やっぱり企画力がないとなー。この三年、社の業績はほぼ横ばい、現状維持ってとこかな。
そっか。
近いうちに、来れるか?復帰手続きと、三年間のうちの資料、見てくれ。
お前の一存でそんな事していいのか?
人事の事は総務のトップである俺様が決める。多分、誰も文句言わねぇよ。
社長は?
確認済みだ。これも多分、社長が一番に望んでる。
優遇され過ぎじゃないか?俺はずっと仕事から離れていたのに。
だから、三年分、早く巻き返してくれよ。期待してる。
ははっ、やるっきゃない。
そうだ、やるっきゃない。
程よく飲み食いして、店を出て、階段のポーチを降りる。いくら夏とはいえ、外はもう薄暗い。
痛っ、
ヒチョル?
バランスを崩し階段から落ちそうになるヒチョルを抱きとめる。
どうした?
目にゴミ、
はっ?どれ、見せてみろ。
とは言っても、薄暗い中、見えるはずもなく、
泣いてみろ。
こんな所で泣けるか、
泣いたら涙でゴミが取れるって言うじゃないか。
そんな事言ったって、
ユノさん?!
その時、階段の道下からユリがこっちを見上げていた。
ユリ、
こんな道から見えるところで堂々とキスしてるなんて、恥ずかしくないの?いつからその女と付き合ってるのよ、私じゃ、駄目なの?
ユリ、何言って、
おい、女って、俺の事か?
知らねぇよ。
何ゴチャゴチャ言ってるの?やっぱり、私じゃ駄目なのね?ユノさんなんか嫌い、大嫌い。
あ、ユリ!誤解だって!
何だ?彼女か?お前、いつから女に、
ふっ、ははっ、ははは。
おい、お前、大丈夫か、ユノ。
ははは、ありがと、ヒチョル、お前が女に間違われて良かったよ。
おい、詳しく話せ。
帰りながら、俺はヒチョルに全て話した。
始めは真剣に聞いていたヒチョルだったが、最後には泣き笑いになって、目のゴミも取れたようだ。
でもさ、誤解解かなくていいのか?
機会があったらな。お前の長髪に感謝だよ、ヒチョル。
何もかも、解決したように思えた夜だった。