ただいま、帰りました。
振り向いたその顔は驚いていて。
おかえり。帰ったんじゃなかったのか?
夕食の買い出しに行って来ました。それに昨日使わせてもらったベッドのカバー、洗濯したので、ちゃんとセットし直しときますね。今日はちゃんとうちに帰りますから。
そう、か。
折角の連休だったのに悪かったな。家族や彼女とかと何か予定があったんじゃないのか?
僕は一人暮らしですし。彼女は今いません。明日は家でゆっくりします。
ん。長い事付きっきりにして悪かった。俺はもう大丈夫だから気にせず休んでくれ。
はい。洗濯物入れたらすぐ食事の準備しますね。パソコン見るのはいいですけど無理しないで下さいね。
ん。
やっぱり、あの部屋には泊まれないと思った。課長の真意はわからないけど。
二人で黙々と食べる夕食。職場でのあの賑やかな課長とは違っていて。体の調子は良さそうなのに。僕の方も、ドンへさんから聞いた話の事が思い出されて、なんとなく喋れずにいた。
ご馳走様。今日も美味かった。
いえ。明日の朝はキンパを作っておきますから食べて下さいね。
ありがと。
僕は全ての家事を終わらせ、帰る事にした。
じゃ課長、帰ります。
ん。今度は鍵置いて帰れよ。
その一言に、全てを拒否された様に感じて。僕は泣きたくなった。課長は、当たり前の事を言っただけなのに。
シム?
……、鍵、靴箱の上に置いて置きますね。
気をつけて帰れよ。
はい。失礼します。
僕は、もう自分で開ける事が出来ないドアを閉めた。