2018(平成30)年1月

東宝作品  『3月のライオン』 後編…愛 は

前編 2017年3月18日公開から

一ヶ月余、間を置いて同年4月22日に公開されました   2時間20分

イメージ 1

相関図です

イメージ 19

プロ棋士となって3年目を迎える零(神木隆之介)

学校では新人王を獲得し

全校生徒の前で校長先生から 『ようやく、と金になれた』 と讃えれれました

川本家との交流も1年を迎えようとしています

イメージ 4

また将棋連盟では

零の新人王獲得を記念した企画が浮上しています

若い将棋ファン層、拡大のため

宗谷名人と零との夢の対局で会長肝いりの企画でした

桜チューリップ赤ブーケ1

桐山零のモデルとしては羽生善治氏

押しも押されもせぬ史上最高峰の棋士です

イメージ 8

5月に入り将棋界では

各棋戦が本格的に始まります

零も昨年、準決勝まで勝ち進んだ獅子王戦からスタートです

初戦に勝利し、控えの間に入る零

TVモニターでは昨年の獅子王戦挑戦者

島田開八段(佐々木倉之助)が1回戦から敗色濃厚です

昨年、宗谷名人との獅子王戦での対局で

誰しもが陥る宗谷病に嵌まったのだと囁かれています

イメージ 6

島田開八段のモデルは名前的にも島朗九段でしょうか

当時、羽生、森内、佐藤康光という超豪華なメンバーの

『島研』 を主催し、優秀な後進の棋士と交流を深め

敗勢になった時の投げっぷりの良さに相似性があります

イメージ 7

控えの間に三角(B2級6段)が入ってきました

今日の対戦相手幸田八段(零の養父=豊川悦司)に不戦勝したと話しています

零は入院中の幸田の許に駆けつけます

幸田は自宅で転んで頭を打ったと語るだけでした

その病院は後藤正宗九段(伊藤英明)の妻も

意識不明のまゝ入院中の病院でした

その夜、幸田の長女香子(零の義姉=有村架純)が

零の許を訪ね頭の傷は弟の歩と争った末の傷だと告げるのでした

零が幸田家を出て1年余、幸田家はまだ荒んでいました

イメージ 2

5月末

宗谷名人との夢の対決が実現しました

対局場は岩手県盛岡市

病気療養中(腎臓病)の二海堂(染谷翔太)から

『勝つことだけを考え全力で戦え』との熱いゲキがありました

イメージ 3

二海堂のモデルは

先天的な腎臓の病気ネフローゼによる体型

常に病気がちで体力面で不安を抱えながらの棋士生活を送り

29歳でお亡くなりになった故、村山聖九段だったと思われます

イメージ 9

前夜祭に挑み

零は慣れぬパーティーや記者会見からやっと解放され

一人ホテルの自室に戻ります

対局に備え明日の棋譜検討に入ると

緊張から零の手は震え出すのでした

零にとって宗谷名人は将棋を志した幼き頃からの

雲の上の憧れの存在でした

名人宗谷冬司(加瀬亮)

イメージ 5

中学生(15歳)で棋士となり、21歳で史上最年少の名人位に

さらに史上初の全七大タイトルを独占

名人戦は6連覇で通算12期、王将戦は5連覇の記録を持つ

あらゆる戦法をこなすオールラウンダーです

現在は京都銀閣寺のそばに住み、年齢は島田八段と同じく30代後半です

(モデルとしては谷川浩二氏羽生善治氏を併せたような棋士です)

イメージ 10

翌日の記念対局

慎重な駒組みが続く中

零は途中で不用意な一手を差してしまいます

その一手を契機に宗谷名人の怒涛の攻めが始まり

零は夢中に差し続けるのでした

結果、零は負けてしまいますが

不思議と盤面に純粋な気持ちで向き合え

宗谷名人との対戦により自らの将棋に新たな境地を開くのでした

イメージ 11

東北のお土産を持って川本家を訪れた零

そこには泥だらけになり泣きじゃけんでいるひなたがいました

次女 川本ひなた(清原果耶)

イメージ 12

ひなたは中学3年となり

仲の良かったちほという子を苛めから庇ってきました

しかいそのちほが転校していくと

苛めの対象がひなたにむかったのでした

それが最近ことにエスカレートし

イメージ 13

給食当番でも嫌がらせ

イメージ 14

担任の女性教師は見て見ぬふり

イメージ 15

零はひなたに僕がついていると擁護するのですが

ひなたは 『私は間違っていない、後悔しない』 と泣きじゃくりながらも答えるのでした

ひなたの芯の強さに零は

自分自身が勇気づけられる思いでした

しかし、あまりにも酷くなるいじめに対し

担任の教師がついには心身の異常をきたし教室内で

暴れ出すという事態に発展します

それがきっかけで生活指導の教師が新しい担任となり

学校側も本格的に調査に乗り出し

夏祭りの始まる頃には苛めも終息するのでした

秋になり

零は獅子王戦トーナメント準決勝に進出が決まりました

別の組では後藤正宗九段(伊藤英明)も勝ち残り

準々決勝の対決中です

イメージ 16

対局中、妻危篤の一報を受けた後藤は

対局を中座し病院に駆けつけたものの妻の死に目には会えず

そのまま病院のトイレで男泣きします

その後、対局室に戻り、その勝負に勝ち準決勝に駒を進めるのでした

後藤の妻の葬儀には

現役の棋士が総出でおこなわれ零も宗谷名人も参列しました

しかしそこには儀姉香子の姿はありませんでした

その夜、零は

久しぶりに幸田家に帰宅し養父柾近八段の体調を気遣うのでした

雪雪

冬になり

川本家には、数年前に別の女生と家出して出て行った

三姉妹実父、甘麻井戸誠二郎(伊勢谷友介)が突然訪ねてきました

イメージ 20

誠二郎はもとは塾の講師でしたが

保護者と揉め事をおこし退職、しばらく三日月堂の手伝いをするものの

義父そめじとの折り合いも悪く

何もせずいたが、そのうち女ができ妻子を捨てて出て行った男です

その誠二郎が

川本家を訪れ新しい家族と3姉妹の同居を持ちかけてきたのです

川本家に恩のある零は

誠二郎の去就を棋士仲間で調べました

すると誠二郎は勤め先の中古車販売店で新たな不倫問題をおこし

会社を解雇されたばかりか家族寮の退去を迫られていました

病弱の妻とその間に出来た娘を川本家に預け

自分は新しい不倫相手と新しい生活を送る算段のようです

なんとか川本家の力になりたい一心で零は

誠二郎に接しこの話を阻止しようとしますが

怒り狂った誠二郎は

お前は誰で、何の権利があって口を挟むのだと食って掛かります

零の口からはひなたとの結婚相手で

将来、一緒になるつもりだと

本心か願望か零の口から発せられました

イメージ 17

唐突な零の言葉に

長女のあかりや ひなたからも咎められ

今日は帰ってくれと言われる始末でした

獅子王戦トーナメント決勝の相手も後藤九段に確定しています

零は自分には将棋しかないんだと

言い聞かせますが気持ちが乗り切りませんでした

一方、義姉香子も

後藤から将棋に集中するため出て行ってくれと追い出されました

イメージ 21

香子は自宅に戻ると

全て将棋に奪われたと泣きじゃくるのでした

イメージ 18

そして獅子王戦トーナメント決勝を迎えます

零と後藤九段の因縁の対決です

対局は双方譲ることなく夜まで続いています

終盤にはいり零は敗色濃厚となってきました

長考に入り突如、逆転の一手が怒涛のように閃き

泣きながら終局まで差し切り

鮮やかな逆転劇で後藤九段を降し

獅子王戦挑戦者の切符を手に入れるのでした

イメージ 22

零の獅子王戦トーナメント決勝の、この日

川本三姉妹も父、誠二郎と遊園地に出かけていました

イメージ 23

三人で父、誠二郎と一日過ごし

思い残すことなく

父との決別をする選択を選ぶのでした

イメージ 24

後藤との対局が終わると

零は一目散に川本家に駆けつけます

川本家では零を暖かく迎え入れてくれるのでした

一方、香子も父から

幸せになることを諦めるな、応援していると言われ

父と和解し後藤の元に戻ります

負けて戻ってきた後藤の手を取りマンションに入るのでした

イメージ 25

獅子王戦タイトル戦です

大きく成長した零は立ちはだかる大きな山

宗谷名人との対戦です

イメージ 26

名人といえども人間です

零は養父幸田八段と共に新調した紋付袴で

第一戦の対局地

山深い寺の階段を一歩、一歩上り詰めるのでした

手にはひなたから貰った人形を携えて…

山形県立石寺(りっしゃくじ)

イメージ 27

大友啓史監督

イメージ 28

そして日本将棋連盟も全面協力しています

イメージ 29

また棋士の先崎学九段が監修しています

イメージ 30

私的には桐山零(神木隆之介)

羽生善治氏藤井颯太四段のお二人が彷彿されます

イメージ 31

将棋ファンの私にとっては

たまらない映画でした

☆☆☆☆★でしょうか