2017(平成29)年9月
邦画 『母と暮らせば』 は
2015年(平成27)12月に
松竹創立120周年作品として公開された映画です
作家、井上ひさし氏が晩年に構想していた
ヒロシマ、ナガサキ、オキナワをテーマにした戦後命の三部作の意思を
巨匠、山田洋二監督が引き継ぎ
ナガサキをテーマにした作品で山田監督84本目の作品です DVD130分
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/ea/22/j/o0500047314491451185.jpg?caw=800)
主演は吉永小百合と人気アイドルグループ嵐の一員、二宮和也
第89回キネマ旬報日本映画部門9位
主演男優賞に二宮和也 助演女優賞に黒木華が輝きました
第39回(2016年3月)、日本アカデミー賞では
最優秀主演男優賞、二宮和也 最優秀助演女優賞、黒木華が受賞し
最優秀作品賞は 『海街diary』に決まりましたが
優秀賞には作品賞、脚本賞、撮影、照明、美術、録音、編集
さらに優秀主演女優賞に吉永小百合、優秀助演男優賞に浅野忠信が選ばれました
また本場、第89回米アカデミー賞の
外国語映画部門の日本代表作品として出展されました
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/06/62/j/o0461060014491451195.jpg?caw=800)
1945(昭和20)年8月9日午前11時2分
8月6日の広島に続き米軍が二度目の原爆投下を長崎にしました
主人公の福原浩二(二宮和也)は、この日も
いつものように長崎医科大に通い授業を受けていました
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/94/09/j/o0450040514491451202.jpg?caw=800)
米軍によると
この日の原爆投下の予定地は福岡県の小倉市(現、北九州市)でしたが
小倉市の上空に靄がかかっていたとして
次候補地の長崎に投下されたとのことです
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/50/7a/j/o0450025214491451209.jpg?caw=800)
浩二を含め
この原爆により長崎市では74,000名もの方が
一瞬のうちに亡くなりました
(広島市は14万人の犠牲者です)
それから三年の歳月が流れます
浩二の母、福原伸子(吉永小百合)は
敬虔なクリスチャンで助産婦を営んでいます
夫を結核で亡くし、長男も先の大戦で亡くし
唯一の家族であった次男、浩二までも原爆で亡くしてしまいました
伸子は一瞬の間に亡くなった浩二の死が確証できず
3年間待ち続けましたが
ついに浩二は亡くなってしまったんだと諦めました
伸子が 『諦めるわ』 とつぶやくやいなや
息子、浩二が伸子の前にひょっこり現れます
『母さんは、あきらめが悪いから、なかなか出てこられんかったとさ』…と
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/99/1e/j/o0450030414491451219.jpg?caw=800)
『あんたは、元気』 と、たずねる伸子
『元気なわけなかやろ、僕はもう死んでるんだよ、母さん相変わらずおとぼけやね』
…と現れ
その日から浩二は、度々伸子の前に現れます
![イメージ 10](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/c4/c3/j/o0450022114491451228.jpg?caw=800)
ふたりは
楽しかった思い出や、他愛のない話をするのでしたが
一番の関心事は、医学生だった浩二の恋人町子(黒木華)のことでした
浩二との結婚の約束をしていた町子は
浩二が死に一人となった病弱な伸子を度々訪ね
家事の手伝いをしながら伸子を今も支え続けています
素朴で清楚な心優しい女性です
![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/33/e4/j/o0450029714491451235.jpg?caw=800)
浩二は伸子が一人のときにしか現れません
浩二はかなりのおしゃべりで
メンデルスゾーンが好きで、甘えん坊ですが
町子や上海のおじさんがいるときは現れません
![イメージ 7](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/f9/c7/j/o0450030214491451247.jpg?caw=800)
上海のおじさん(加藤健一)
戦時中は上海で商売をし、既に妻も亡く、息子も長崎原爆で亡くし
今は長崎市内で闇市の商いをし
なにかと伸子に歩み寄り闇商品を貢いだりしています
![イメージ 8](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/93/fa/j/o0450031314491451254.jpg?caw=800)
浩二の恋人の町子 小学校の教諭で
今も伸子の許を訪れそのたびに伸子から、
浩二のことは忘れ新しい人を見つけてほしいと言われますが
私は浩二さんのことを想いつづけ
静かに暮らすと伸子に語っています
![イメージ 9](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/be/03/j/o0450031314491451259.jpg?caw=800)
体も弱く、日に日に衰弱していく伸子
その様子を看取ったのか
浩二は僕はもう来れないと言うのでした
また町子にも転機が訪れました
同じ小学校の教諭で
生徒から黒ちゃんと呼ばれている
長崎原爆で左足を失くした先生との交際が始まりました
伏せっている伸子の許に
町子と黒田(浅野忠信)が見舞いがてら結婚の意思を報告します
![イメージ 11](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/1c/b6/j/o0450030514491451265.jpg?caw=800)
涙ぐみながら謝る町子に 伸子はよく決心したと
やさしく抱きかかえるのでした
![イメージ 12](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/9e/0a/j/o0450030614491451273.jpg?caw=800)
浩二も最初は町子の結婚は嫌がっていました
しかし、この先の町子のことを思うと
浩二も伸子も
町子を縛ることはできません
町子も浩二や伸子の心に背く決意は容易ではありません
三者三様の心の推移です
走馬灯のように
浩二、町子の青春時代が過ります
![イメージ 13](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/00/cd/j/o0450034214491451279.jpg?caw=800)
![イメージ 14](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/25/32/j/o0450031514491451284.jpg?caw=800)
戦争は悲惨以外何物もありません
普通の人の生活が夢が希望がズタズタに壊され続けます
若い浩二、町子のみではありません
伸子にとってかけがえのない息子二人も奪われました
日本中、至る所で
悲劇が破壊が広まり廃墟と化し
国を絶望の淵に陥れました
正月も近い日
浩二は、あなたはもう僕たちの世界に来ていると伸子にいいつつ
母と共に
冥途の世に連れていくのでした
評価 ★★★★
![イメージ 15](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/cc/89/j/o0550045514491451292.jpg?caw=800)
主演の吉永小百合と山田洋二監督
![イメージ 16](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/ea/07/j/o0450028614491451299.jpg?caw=800)
強烈な反戦映画です
安保法制、集団的自衛権、秘密保護法案、共謀罪
刻々と迫りくる軍靴の足音
泣くのは一般国民です
暴走政権に一票を入れますか ?
![イメージ 17](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/a6/61/j/o0450031214491451304.jpg?caw=800)
平和な世がいいですねー
![イメージ 18](https://stat.ameba.jp/user_images/20190704/15/mmmt345/30/6f/j/o0450033814491451314.jpg?caw=800)
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わが家のきなこボクちゃんです