2016(平成28)年10月
東宝作品 『 陰陽師 』 (おんみょうじ)は
平成13年(2001)、滝田洋二郎監督作品です
滝田監督はその後、平成20年(2008)、おくりびとで
日本アカデミー賞最高優秀作品、最優秀監督賞
第81回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞しています
主演の陰陽師、安倍晴明を演じるのは
狂言方和泉流の能楽師、野村萬斎さん
夢枕獏(本名、米山峰夫)原作の
陰陽師、安倍晴明の活躍を描いた伝奇小説 『陰陽師』 の映画化作品です
上映時間 116分です
時代は桓武天皇が長岡京から平安京に遷都して150年
平安時代は西暦794年~武家政権に至る1185年まで390年間という
長い王朝、貴族政治でしたが
物語は西暦945年頃が舞台です
この時代はあの世とこの世が混在し
鬼、妖怪、怨霊が人と共に共存する世界でした
そんな暗黒の世を鎮め
あの世とこの世の調和を保つ能力を持つものが
陰陽師と呼ばれる者でした
ある日、右近衛府中将、源博雅(伊藤英明)は
怨霊にとりつかれた上官を救いたいと、当代きっての陰陽師、安部晴明を訪れます
出迎えに出たのは蝶に化身する蜜虫(今井絵理子)でした
今井絵理子氏は女子ボーカルグループSPEEDのメンバーで沖縄県出身
今年の参議院議員選挙で自民党から比例区で立候補し
初当選しています ? ? ?
源博雅の要望に応え、晴明はその怨霊にとりつかれた屋敷に向かい
諸悪の因を見つけ出し、松の木にぶら下がった瓜を切り放つと
中からはとぐろを巻いた蛇が出てきました
怪奇、妖艶な伝奇ストーリーです
宮廷の陰陽師を束ねる陰陽頭は道尊(真田広之)でした
道尊は星占いから
都の守り人が現れるお告げがあったと帝に進言します
満面の笑みを浮かべたのは左大臣、藤原師輔=(矢島健一)でした
帝と自身の娘、任子との間に生まれるであろうお子だと思うのでした
その隣では顔を強張らせる右大臣、藤原元方=(柄本明)がいました
しばらくして左大臣、師輔の娘が男子を出産、敦平親王の名を賜わります
一方、右大臣、元方は自分の娘、佑姫の産んだ広平親王の
帝になる道が閉ざされ憤り、身を震わせています
敦平親王の身に異変が起こります
源博雅からの要請を受け
安倍晴明は、都の外れに住む青音=(小泉今日子)と共に
宮廷に足を運びます
強力な呪いを賭けられていると気づいた晴明は
解呪の呪術を唱え始めると
敦平親王の口から黒い魂様の煙が吐き出され
隣に横たわっていた青音に乗り移ります
安倍晴明の屋敷に戻り
青音の体内から呪いの魂を体外に導きだしたものの
源博雅が斬り逃したため呪いの正体は判明できませんでした
この敦平親王に呪いをかけたのは
陰陽師頭の道尊でした、道尊は都の転覆を企てていたのです
道尊は嫉妬に狂った右大臣、元方に近づきます
源博雅は笛の名手でした
毎夜、博雅の笛を聞きに現れる女性、望月の君に思いを寄せていました
しかし望月の君は博雅の思いに応えることはありませんでした
(望月の君は、右大臣、元方の娘、佑姫=(夏川結衣)でした)
ある日、宮廷から安倍晴明と青音が
敦平親王の呪いの容疑で、右大臣、元方の命によりひっ立てられます
その場に現れた左大臣、師輔により助けられますが
その場にいた道尊に操られた(遠隔操作です)武官の一人が
晴明に斬りかかります
晴明を助けようとかばった青音が無残にも切り殺されました
死んだかに思えた青音ですが
彼女は150年前の平安京遷都の際、相良親王を鎮める儀式で
人魚の肉を食べ不老不死の身になっていました
安倍晴明の許に左大臣、師輔から
再び任子と敦平親王が怪異に見舞われたと知らせが入ります
晴明は帝を渡せと泣き叫ぶ声と
女の生首と藁人形が落ちていたという話を聞き
帝、村上天皇=(岸部一徳)と図り
人のかたちに造られた藁人形を囮に妖怪を待ちます
鬼の形相をした女の顔が現れます
道尊によって操られていた佑姫は
天皇にも、救いに入った源博雅にも牙をむきます
博雅の優しい眼をみた佑姫は
人の心を取り戻し、自ら首を切って自害します
都の転覆を図る道尊は
宮廷内の内紛では失敗に期し、追い詰められた道尊は
今度は封じられていた相良親王の塚を壊し、怨霊を解き放ちます
相良親王の霊を取り込んだ道尊は
怨霊を引き連れ宮廷を襲撃します
都が大混乱に陥り、源博雅はまたしても晴明に助勢を請います
晴明は宮廷に興味はなかったのですが
友の博雅の頼みであれば、お前のために行こうと決心するのでした
相良親王の塚を訪れた晴明は
青音から、都の守り人は晴明と博雅であり
どちらかが欠けても都は滅ぶとの宣託を受け急ぎ、都を目指します
都では朝廷を守る博雅と道尊が対峙しています
斬れども斬れども妖怪、道尊は斃れません
遂には道尊に博雅は殺されます
晴明が駆けつけた時には博雅は虫の域で
友の死に涙に咽ぶ晴明でした
青音が晴明に近寄り
私の命と引き換えに博雅が生き還る儀式を行ってほしいと哀願します
息を吹き返した博雅の隣で
150有余年の人生に終止符を打った喜びで青音の姿は消えてゆきます
息を吹き返した博雅と晴明は、二人で道尊と向かい合います
博雅に宿った青音が、道尊に乗り移っていた相良親王に呼びかけます
相良親王=(萩原聖人)と青音は、お互いを思いあっていた仲だったようです
相良親王と青音の魂は手を取り合って天に上り
他の怨霊も消え去ってしまいます
怨霊の力を失った道尊は
晴明に二人が手を組めば都が手に入ると
誘いますが安倍晴明はこの誘いを一蹴します
陰陽師同士の対決です
術と術の対決です
晴明は五芒星の結界で道尊を封じ込めます
身動きの取れなくなった道尊です
くさびを打ちます
進退窮まった道尊は自らの剣で首を掻っ斬ります
何事もなかったかのように平穏の日々に戻り
酒を酌み交わす二人です
陰陽師=安倍晴明=野村萬斎
陰陽師=羽生結弦
フィギュアスケートのプリンス
陰陽師を彷彿させ神ってるをおもわせる技術、精神力、体力の持主です
有難うございました