2015(平成27)年12月2日(水)
近畿商事(伊藤忠)が米オリオンオイル社と組み
イランのサルベスタン鉱区(ロレスターン鉱区)を落札してから
3年8か月が経過していました
副社長となった壹岐(唐沢寿明)は
人事、総務、業務、海外事業の4業務を掌握し、事実上
近畿商事の経営権を指揮する権限を有していました
その間、壹岐の秘書として
ニューヨークから塙(はにわ)=(袴田吉彦)を呼び寄せています
壹岐の出現により経営権を握られた大門社長(原田芳雄)は
経営者は相場観を失くしたら終わりやと綿花相場に傾注しています
一方、石油部長だった兵頭(竹野内豊)は
石油ガス等を統括するエネルギー部門の担当常務に昇進していました
イランのサルベスタン鉱区では今までに既に
3本の井戸を掘っていましたが石油は一滴も出ず
現在4本目の井戸を掘削中でこれまでの経費50億円は
泡と消えてしまっています
壱岐の娘、直子(多部未華子)と鮫島倫敦との間には
二人目の子供も授かり
長男誠(齋藤工)も新所帯を持ちました
イランから連絡が入ります
掘削中の4号井が4570フィート地点で逸泥を起こし
いつ暴墳を起こすか分からないとの電話です
現地に飛んだ兵頭は油脈のあるとされる5000~8000フィートまで
掘り進める方法を模索するのですが
現場の声を尊重し4号井の堀削を断念、廃坑の断を下します
近畿商事の4号井廃坑で
日本石油公社は近畿商事への支援打ち切りを通告してきます
壹岐は、この苦境を乗り切るためにも
5本目の井戸を掘ることを大門に申告するのですが
大門は公社が手を引いた以上資金繰りができない
もう石油からは撤退するという始末です
イランの石油開発、サルベスタンは
壹岐にとってシベリアと同じく不毛の地となるのでしょうか
壹岐は最後の手段に出ます
決して手を汚さないと誓っていた壹岐ですが
竹中を介し政治家の手を借りるのでした
持参した箱の中には
ニューヨーク支店時代にプールした1000万の札束が
日本石油公社から新たに5億円の融資がもたらされました
これが、最後の最後やでと
大門社長も5号井掘削に渋々応じるものの
裏では業務担当常務の角田を通じ
3年前に系列のタクボ工業に転出させた里井(岸部一徳)と接触を図ります
最後の砦としての5号井の堀削の為
壹岐は兵頭と共に現地に向かいます
その壱岐の手元に1通の手紙が届きました
あのシベリア抑留からの心の支えであった谷川大佐(橋爪功)の死でした
急遽、葬儀に駆けつけた壱岐ですが
その心には大きな穴がぽっかり空きました
石油鉱区に近畿商事は既に60億もの資金を投資しています
大門自身も綿花相場で相当な痛手を蒙っています
大門はこの窮地を脱しょうと
里井を呼び出し近畿商事への復帰を画策します
里井は自分の復帰には壹岐を斬ってくださいと条件を付けるのでした
そんな中、最後の望みを託した5号井が
ガス暴墳を起こしたとの情報が入ります
焦りを隠せない壱岐ですが
2日後、兵頭から徹夜作業で暴墳は治まり正常に戻ったとの連絡が入り
ガス暴墳は油のある兆候ですとの報告を受けるのでした
そんなある夜
東京商事の鮫島(遠藤憲一)が壹岐の許を訪ね
大門社長の綿花相場の噂が取引銀行でも評判になっていると耳打ちするのでした
壹岐は綿花部長井原(上杉祥三)を呼び
真相を質すと50億近くの損失が出ていることを吐くのでした
壹岐は大門の苦境を救おうと
綿花相場からの撤退を進言し、策を練るのですが
かえって大門は意地を張り、里井の副社長復帰の方向に舵を切るのでした
一方サルベスタン5号井でも油の出る兆候はいまだありません
遂にしびれを切らしたオリオンオイル会長リーガンは
一か八かの人工的に暴墳を起こす賭けに出ようと提言します
兵頭も躊躇しましたが最後にはその賭けにかけるのでした
一方、近畿商事では役員会議が招集されています
大門はこの場で49億円の綿花相場での損失を追及されますが
石油開発の60億の資金に話題を振り
窮余の策として里井副社長の復帰の提案を投げかけます
同時進行です
イランのサルベスタン鉱区の事務所では
故意に暴墳を起こしモニターTVの画面を全員が注視しています
奇跡が起こりました
夢にまで見た石油にぶち当たりました
この報はいち早く東京に打電され
壹岐の秘書塙(はにわ)が息せき切って会議の席に飛び込んできました
まさに里井副社長、復帰の挨拶、直前でした
壱岐は危うくも副社長の座を追われなく済みました
日本初の国際油田誕生にメデイァは大騒ぎです
その記者会見で記者から
成功の最大の理由は何かの質問が飛び出します
壹岐は、この油田計画において
最大の牽引車は企業のトップ大門社長であり、一度もぶれることもなく
開発を後押し勧めた勇気ある決断力でしたと持ち上げるのでした
各社、紙面に大々的に報道されます
画面に見入る東京商事、鮫島です
ところが数日すると
近畿商事大門社長がスクープされました
どうやらリークしたのは壹岐でした
綿花相場が大々的に報じられてしまいました
壹岐は大門に石油開発の栄光を長く留めるためにもと
勇退を勧めます
大門は、君はここまで引き上げてきたワシを追い込んで
そんなにまで社長の椅子が欲しいのか…と
そんな大門に、壹岐は辞表を提出します
私が今あるのは全て大門社長のおかげです
社長が去った後の会社に私が残るということはあり得ません…と
それじゃ、近畿商事はどうなるとの大門の問いに
壹岐は新しい人材が育っています
今後は組織が会社を動かしますと答えるのでした
そのころ琵琶湖湖畔で語らう二人の女性がいました
秋津千里(小雪)と紅子(天海裕樹)でした
紅子は、千里に自分の思いに正直に生きるようにというのですが
千里は、壱岐の心には佳子(和久井映見)が残っており
素直に入りきれないというと
紅子はあなたはあなただからと言い残し別れるのでした
役員会議の場で、大門社長は自身の勇退を宣言します
皆の注目は、次期社長は誰かにに注がれます
大門は、壹岐君もワシと一緒に会社を去ると言い残すのでした
役員会議は紛糾しますが
壹岐はこれからの会社は、組織で動く
わが社には新しい人材が育っていると言い残し場を去るのでした
壹岐は二人の子に
父は今後は谷川少佐の遺志を継ぎシベリアの地で亡くなった
戦友たちを日本の地に戻す活動を継ぐと話すのでした
舞鶴に建った石碑の前で壹岐は
改めて谷川の朔風会を継ぐ決意を新たにするのでした
京都にも寄り千里に自分の決心を話す壹岐でした
彼女との関係はこの先どうなるのでしょう
シベリアに発つ前
新聞で千代田自動車資本提携の記事を見ます
壹岐の残したニューヨークでの仕事です
着々と若い力がっ芽吹いています
シベリアの地で壹岐は
何を思い、居並ぶ募柱に何を語りかけているのでしょうか
石油という血の一滴の為に
多くの血を流さねばならなかった第二次大戦への突入
生き残った自分が
日本の為、一介の商社マンとして
その血を平和的に得た今
壱岐の贖罪は、今後どのように伝え残していくのでしょうか
見応えのあるドラマでした
全10巻19話でした
有難うございました