純文学作家に与えられる芥川賞の歴史の中で、受賞に至らなかった大物作家は少なくない。最も有名なのは、太宰治だろう▼
第1回(1935年)の候補に入ったものの落選。その後は、川端康成ら選考委員に「私を見殺しにしないで下さい」などと懇願の手紙を送っている。賞欲しさに筆を執る作戦も奏功しなかった▼
お笑い芸人・又吉直樹さんの小説「火花」が、芥川賞に選ばれた。現役の芸人の受賞は初の快挙だ。芸能界きっての読書家として知られ、大の太宰ファンでもある。中学生の時に出会った「人間失格」は100回は読んだという▼
太宰とは不思議な縁がある。大阪の高校を卒業後、芸人を目指して上京した時に住んだ三鷹市のアパートは、太宰の居住跡に建ったものだそうだ。芥川賞候補発表日の6月19日は太宰の誕生日で、入水自殺の遺体が発見された「桜桃忌」でもあったから、どこまでも奇縁のある人だ▼
芸人同士の友情と葛藤を描いた「火花」は掲載された文芸誌が創刊以来初の増刷になるなど、話題が先行していた。今回の受賞で、実力にも太鼓判を押されたことになる▼
太宰は中学時代から芥川龍之介を敬愛していたという。それだけ芥川賞を手にできなかった心痛は深かったに違いない。それから80年。自分を敬愛する新人がその無念を見事はらした。
と言う文章で感動しました。
さて、販売同時に妻が購入していた(1200円)「火花」をこの3連休で読まなくては・・・・
今日のスポーツ新聞を読むと120万部になるそうで、印税ハンパネー。
又吉くんとは2012年12月の「笑っていいとも」新宿アルタで会った以来生見てねー。