さかのぼること4日前、4月1日
新年度、出会いと共に別れの季節でもある。
そんな新学期の浮足立った世間とは全くの無縁の私は、暴飲暴食、自暴自棄、昼夜逆転、逃げるが勝ち、そんな生活を送っていた。
何しろ、今は貴重な大学一年生の春休みなわけで、東京で一人暮らしをしている私にとっては天国なわけで。
そんな生活の中で珍しく早起きして、意味もなくテレビを点けてみるとそこには「おはスタ」が。
小学生時代、幾度となくこのハイテンションな山ちゃんをお目にかかったかと懐かしい思い出に耽っていると、何と今日はその山ちゃんが卒業の日だった。
卒業SPと題し、そこはお別れムードの「おはスタ」だった。
朝からこれを見て始業式に行く小学生は果たしてどんな気持ちで学校へ行くのだろうかと穿った見方をしていた。
私はそういう人間なのである。
番組は粛々と終わりへと近づいていた。
終盤、「サヨナラのかわりに」という小学生時代、何回聴いたかわからない歌が流れ出した時、涙目だったと思う、リアルに。
さっきまで何とも残念な思考を巡らせていた私はもうそこにはいなかった。
最後に山ちゃんがマイクの前に立ち、別れの言葉。
当たり前のように号泣している自分がいた。
こんなにも涙脆かったのかとしみじみしていると、さらに涙が出た。
変な感情を落ち着かせるため、違う番組を見ようとチャンネルを変えた。
そこには加藤綾子アナウンサーがめざましテレビを卒業するということで、みんなから祝福されていた。
不覚にも、また泣いた。
2016年4月1日、電力は自由化したが私の感情は不自由だった。
ディズニーランドもタバコも値上げしたが、私の気分は落ち込む一方だった。
そんな私とは無関係に、ニュース原稿は淡々と読まれていく。
東京では桜が満開を迎えたらしい
もはや、情緒が不安定になっていたのだろうか、急に桜が見たくなってきた。
1日に2人の人間が大勢に祝福される姿を見て、汚れきった心を桜で洗われたかったのかもしれない。
いや、洗ってほしかった。
乾燥機も付いていない家の洗濯機では、私の心は洗えそうもなかった。
ということで、目黒川へ直行。
こういうときの行動力は大人数のテニスサークルをまとめるサークル長ばりにアクティブなのである。
駅から降り、目黒川方面に向かうとそこには川に沿って佇む無数の桜が。
空はあいにく、若干の曇り空だったものの気分は爽快だった。
気を抜くと軽い鬱状態に入ってしまう私だが、この日は確実に絶好調だった。
パワプロだったら赤い笑顔マークで4打数3安打くらいを記録していたに違いない。
それから既に4日が経っているが、未だに体は軽い。
もしかしたら涙と桜で心と体が洗わて、暗黒の魂みたいなものが無くなり、体重が減ったのかとおもったが今日の健康診断ではなぜか3kg太っていた。
精神的には随分と軽くなった気がしていたのだが、物理的には太っていた。
中々世の中思い通りにはいかないものである。