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定期的にチェックしている京都の本屋「恵文社」のHPをふらーっと見ていたら
新刊の欄に「大島弓子にあこがれて」のタイトルと、
薄ピンクの背景に肘をついて考え事をしている少女のイラストが目に入ってきて、
思わず中身を見ないで購入してしまった。

本のジャケ買いはめったにしないし、
どんな本か、届くまでわからなかった。
でも、大島弓子が自分にとって特別な存在なので、
中身がなんでも、
自分と同じように考えている人の文章を読んでみたかった。

私が彼女の作品を知ったのは、
高校を卒業して、学生寮に入って、
同じ寮にいた、予備校に通っている女の子に勧められたからだった。
初めて読んだときは、内容が複雑ですぐに理解できず、
でも、引っかかるものがあったので、
折りを見て何度も読むうちに、
気づいたら、心の支え、というか、"よすが"になっていた。

これは私なりの解釈であり、
それぞれのファンにとっての「私の大島弓子」があるのは承知で言ってしまうが、
大島弓子の作品全般にあるのは、
女性の中にある「少女性」を、年をとってもあきらめないこと、だと思う。
「少女性」とは、可愛らしさ、純粋さということも含まれるが、
自由、無知、・・・あとは抽象的な意味での、貞節も入る。


で、届いた本。
東大卒の藤本由香里さんのキリッとした解説、
お菓子研究家の福田里香さんのマニアックな解説、
やまだないとさんの同業者ならではの解説、
と、三者三様の切り口で、読みごたえたっぷりでした。
また、大島さんのコラムや貴重なイラストも多数掲載されています。
あとがきを見ると、出版までに5年かかっているようで、
力の入れ方を感じました。

大島弓子が好きな人だったら、買って損はない。
購入をお勧めします。
ちなみに私が一番好きな作品は「さようなら女達」です。




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