牧村朝子『はだか』

はだか

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連載４コマ漫画 /

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撮影：会長さん

女性だけれど、異性ではなく同性を愛していっしょに暮らしています。

日本人だけれど、日本ではなくフランスのお墓に埋まるつもりです。

女性だけれど、整理整頓が苦手です。でも料理は好きです。

日本人だけれど、勤勉でも従順でもないです。でもマンガは好きです。

レズビアンだけれど、ネコでもタチでもないです。

そんなのどっちでもいいから、好きな人がしてほしがることをしたいです。

レズビアンだけれど、女全員に欲情するわけではないです。

温泉で友達の体を見たりしません。お互いロマンチックな雰囲気じゃないと興奮しません。

レズビアンだけれど、特にレインボーカラーのものは買いません。

身につけるものは、レインボーかどうかではなく、可愛いかどうかで選びます。

レズビアンだけれど、友達はレズビアンだけではありません。

一緒にいる人は、レズビアンかどうかでなく、一緒にいて楽しいかどうかで選びます。

でも可愛いおんにゃのこは好きです。

今日、わたしの彼女が、友人のフランス人男性と食事に行きました。

「彼は日本人女性と結婚して赤ちゃんを授かったけど、パパぶらず彼のままだった」

「でも、『今年生まれた中で世界一可愛い赤ちゃんだ』と自慢したよ」

パパ、ママ、男性、女性、中性、無性、異性愛者、同性愛者、両性愛者、汎性愛者。

日本人、フランス人、ハーフ、クォーター、国際結婚、在日外国人、在仏邦人。

いろんな肩書きをひとつひとつ脱いでいくと、はだかのわたしが現れる。

「日本人だから」

「女性だから」

「レズビアンだから」

「国際結婚だから」

そんな服を着せて自分自身を説明するのは簡単だけど、その服を選んだのは誰ですか？

もし選ばされたというならば、脱ごうとしないのは誰ですか？

「わたし」を探さなくてもいい。「はだかのわたし」はここにいる。

着たくない服を着せられているひとも、

服を脱いで自分のはだかを見るのがこわいひとも、

似たようなスーツの人の群れを批判するばかりで自分のはだかに向き合えないひとも、

だいじょうぶ。みんな「はだかのわたし」で生まれてきたんです。

服を着てたら、忘れちゃっただけ。あなたも、わたしも、ここにいます。

参照　Wikipedia:自己同一性

今日21時～「まきむぅ＆こゆたんのレズビアンチャンネル」放送