Tokyo Wrestling記事の続き…ＰＡＣＳ（パックス）許可が下りました☆

画像：Tokyo Wrestlingスクリーンショット

まきむらよ！

大事な彼女と結婚の約束をしてフランスに渡り

フランス独自の準結婚のようなもの、パックスをするべく準備していましたが

プロポーズから実に７ヶ月

ようやく許可が下りました！！！

うほう！


結婚するのに許可？　って思うかもしれないけど

こんな事情があるんです。

その事情とは、わたしが「独身・未婚・成人」であることを証明する必要のこと。

フランス国籍である彼女とは手続きが違い、日本国籍であるわたしは

日本で身分証明書と戸籍謄本を用意し（総額750円）

それらに日本大使館でアポスティーユ（本物証明）をつけてもらい（無料）

それをさらにフランスの日本大使館で翻訳してもらい(総額50ユーロ、約5000円)

「これで独身・未婚・成人だってわかってもらえました？」ってフランスの在住区役所に聞く

というステップを踏む必要がありました。

（注意※必要書類はその都度、必ず管轄区役所に確認してください。

また翻訳家に指定がないかどうかも確認する必要があります。

条件はつねに見直されます。その上、フランスはお役所でも気まぐれな対応をする国です……）


このあとは、書類提出日の予約をしたうえで、

契約書類を出しに行けば、晴れてわたしたちはパートナー同士になります。



パリは、本当に過ごしやすいです。

わたしはパリの人に「レズビアンです」と言った事が一度もありません。

「女性のパートナーがいます」「彼女のことが好きです」それだけで充分なんです。

携帯ショップに彼女の代理で行くときも、「恋人です」と書かれた委任状だけで大丈夫。

銀行の人も、わたしたちカップルにおすすめの保険を紹介してくれます。

あるフランス人男性は、「フランス人の彼女がいるんですね！僕も日本人の女の子と付き合っているんですよ」って、楽しくおしゃべりしてくれました。レズビアンとか同性愛という言葉を使う必要は一度も感じませんでした。

色々な国籍や宗教の人が集まる語学学校でも、先生とこんな会話をします。



～自己紹介後～

先生「このクラスで、フランス人と住んでる人は２人いるんだね。家では何語なの？」

日本人女性「うちは主に、夫が日本語を話してくれています」

わたし「わたしの彼女も、ほとんど日本語で話してくれています」

先生「そうか。じゃあ、帰ったらジュテームだけでも言ってあげてね＾＾」

おかげさまで、ほんとうに自然体で、肩の力を抜いて暮らす事ができています。



だからといって、偏見がないわけではありません。

現パリ市長ベルトラン・ドラノエ氏は以前、

「同性愛者と政治家が嫌い」と言う男に刺されていますし、

彼女とデートしていると、突然話しかけられたりじーっと見られたりすることもあります。

彼女はいまでも、比較的偏見の強い地域でわたしと手をつなぐことを恐がります。

通りすがりに男性からフランス語で何かを言われ、

彼女は「heureusement.（ええ、幸いなことに）」と返しましたが、

その表情は曇っていました。

何を言われたのか聞いたら、「君たち、今が二千年前じゃなくってよかったねえ」と言われたそうです。

「そうね、本当にその通りね。だから気にすることないじゃない？」

と言って笑いかけたら、

「でも、なんか、そんなに干渉されるの好きじゃないよ」

と言って、悲しいような怒ったような、そんな顔をしていました。

もしかしたら彼女は、私を傷つけないような表現で通訳しただけで、

実際フランス語ではもっとひどいことを言われていたのかもしれない。

そう思うと、もっと勉強したいなと思います。フランス語も日本語も。

人間は言葉という不完全なツールを通してしか対話できないけれど、

人間は自分自身のことすらわからないのに、完璧にわかりあうことなんて無理なんだけれど、

それでも言葉があるおかげで、傷つけあいながらも歩み寄れるからです。



日本でも、

・養子縁組をする

・公正証書をつくる

・結婚式だけでも挙げる

・自分たちに必要な形のパートナーシップを政策に掲げる政治家に投票する

・自分の意見をきちんと行政に届ける

……などといった手段でパートナーシップを結んだり、よりよくしたりすることはできます。

また



8月11日のイベント「Save the Pride」では、

・自分は○○です！と、自分で自分がなにものなのか宣言するボードを持ってのパレード

・カップルでない生き方をする人向けのパレード

といった、「女だとも男だともゲイだともレズビアンだともカップルになりたいとも言わなくていい」企画が用意されています。

「あなたはあなたでいていい」企画が。

やがて毎日がプライドパレードみたいに、誰もが自分らしくいられる、

「普通」とか「常識」なんて言葉に頼らなくても、誰もが自分の頭で考えられる、

そんな地球になることを、願ってやみません。



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