レズビアン専門資料室で「フェミニズムよくわかんない」と思ってみる
いまも森にいるわ。
まきむらよ。
さて、今日は、ロサンゼルスのレズビアン専門資料室
「メーザー・レズビアン・アーカイブス」の資料を紹介します!
前に紹介した記事もあるからあわせてご覧下さいね↓
レズビアン専門資料室に行って来ました
レズビアン専門資料室★ポスター編
ここにはすごく多種多様な資料が集まっています。
ポスター、手紙、雑誌、フィルムはもちろん、キャンペーンに使われたマグカップも!
かわいいー
これはレズビアンの権利運動やイベント、キャンペーンに使われたバッジです。
・♀マークがふたっつ繋がったマーク
・ライラック色(すみれ色みたいなうすむらさき)
このふたつが、当時のアメリカではレズビアンのシンボルでした。
「プライドを持って!レズビアンは『存在しない人』じゃない!」
右上のバッジは、レズビアンに「いつか治るよ、男を好きになれるよ」と言ってみたりとか、「本物のレズ初めて見たー」と言ってみたりとか、芸能人や有名人に向かって平気で「○○レズ疑惑!?」なんて失礼な言葉遣いをする、そしてレズビアンタレントが芸能活動しづらい(笑)今の日本の状況にもあてはまりますね。
ほんと、レズ疑惑って言い方、失礼よね。学歴詐称疑惑!?とかと同じ言い草じゃないの。まるで悪いことみたいに言わないでほしいわ。
話がそれました。
かつてのアメリカでは、レズビアンの権利運動とフェミニズムが密接に結びついていました。レズビアンどうこうとか言う前に、そもそも、黒人女性が白人男性に暴行されて抵抗したらなぜか逮捕された事件があったりとかしたのね。白人と有色人種、男性と女性の間に明らかな不平等がみられる社会でした。
「女性たちよ、暴力に立ち向かおう」
「フェミニズムは、女性だって人間だ、という事実を訴えている」
こういうふうにがんばった人生の先輩たちがいたおかげで、いま1987年生まれのわたしが「フェミニズム」という言葉すら知らずに女性を愛していたりしたわけです。
「レズビアン」「フェミニズム」という言葉を聞いただけで、
「なんかめんどくせえ」
って思ったり
「なに?男に喧嘩売ってんの?はいはい女性様はすばらしいですねwwww」
って思ったりする方々がいらっしゃることも事実ですが、少なくともフェミニズム以前の世界では、「女性が1人で生き抜く」ということがほぼ不可能と言ってよかったでしょう。フェミニズムによって、男性は女性をおんぶする必要がなくなったし、女性はひとりで歩けるようになった。男性側にも女性側にも、まだまだ都合よくいいとこどりしたがる人はいますが、基本的にはそうですね。
「同性愛の歴史」という本によれば、中世ヨーロッパのレズビアンは、みんな救貧院に身を寄せて、今で言う最低賃金のパートみたいな、女でもやっと貰える仕事で細々と生計を立てていたそうです。男に養われずに女が1人で生きる、ということは本当に難しかった。現代社会と違い、独身の女に働き口がなかったからです。
映画「アルバート・ノッブズ」には、その生い立ちから独身で男装をして生きなければならない主人公の女性が、「お願いです。私が女だってばらさないでください。クビにされてしまう……生きていけなくなってしまう……」と言って泣きながら嘆願するシーンがあります。
現代日本のレズビアンや、独身で生きることを選んだ女性たちは、もう泣かなくていい。
アメリカのレズビアン専門資料室に残されているような、フェミニズムの戦いの歴史があったからこそ、日本でも平塚らいてうさんのような方が努力を重ねられたからこそ、女性が男性の収入に頼らずに生きていく事が可能になったのです。
それって、「フェミニズムめんどくせえ」の男子たちにも、「フェミニズムよくわかんない」の女子たちにも、喜ばしいことなんじゃないのかなあ? と、まだまだ「フェミニズムよくわかんない」のレズビアンである、わたしはそう思うのでした。
「フェミニズムよくわかんない」のレズビアンが存在できるということ自体、先人たちには信じられないことだったでしょう。そんな社会を作ってくれた先人たちに感謝しつつ、わたしはいつか、「レズビアンってなに?」って言いながら彼女をつくる女の子たちが現れてくれることを願ってやみません。
資料室にはなんと、1943年刊行の、アメリカ最古のレズビアン雑誌があったので、また載せますー。
あと、こちらの資料室はみなさんからの募金や資料の寄付で成り立ってるので、みなさんもフェミニズム・レズビアン関連資料で寄付できるものがあったら送ってみてね!
送り先はこちらです:
june Mazer Lesbian Archives
626 N. Robertson Blvd.
West Hollywood, CA 90069 USA
メールはここね:
mazerarchives@earthlink.net
「Asako Makimura, the first Japanese female openly-gay TV talent」から聞いて送りましたー って言ってくれるとまきむぅが喜びます(笑)
また秋か冬に、こちらの資料室を訪問する予定です。楽しみだわ! 調べて欲しい事があったら、気軽に声かけてねー。
では、次の更新ではもうちょっと気軽な話題をのせます。
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