レズビアン専門資料室★ポスター編 | まきむぅとレズビアンライフ.*゜* 牧村朝子オフィシャルブログ powered by Ameba

レズビアン専門資料室★ポスター編

$その日の海を見るまで-24歳レズビアン、国際同性婚。-
撮影:たかのぶちおさん


アメリカのサラダ、生のブロッコリーが入ってる!!!!

まきむらよ。


$その日の海を見るまで-24歳レズビアン、国際同性婚。-

レズビアン専門の資料室

June L. Mazer Lesbian Archives

観てみたいけど、なかなかウエストハリウッドまで観に行けないよー っていう方向けに、資料を撮影してブログでご紹介する許可をいただきました。めっちゃいっぱいあるから、すこしずつ分けてご紹介しますー。
資料室にはポスターコーナーがあって、両手を広げたくらいの大きい棚に、額縁入りのポスターがぎっしり入ってるの。壁にも何点か飾ってあって、英語が苦手という方でも楽しめるようになっています。
画像だけ観たい方は、画像をクリックするとアルバムになります。

$その日の海を見るまで-24歳レズビアン、国際同性婚。-
▲美術展「ザ・レズビアン・ボディ」のポスター

1934年生まれ、映像や著述の分野でも活躍したフェミニストKate Millettさんの展覧会ポスターです。

「わたしたちはいっしょだから、

違うけれども、いっしょだから……」


向かい合った女性どうしのバストが、いやらしくなくスタイリッシュに描かれています。
女の子どうしが抱き合ったときの、あの「ぷにゅっ」っていう感触を「パイパイ相互作用」って呼んだりするんだけど、これは実は立派な薬学用語でもあって、さらに「2つの芳香環がコインを積み重ねたような配置で安定化する」って意味らしいわ。
わたし化学よくわからないけど、「いい匂いのまぁるいものがふたぁつ、ぴったり重なっちゃうぞ★」って意味よね!?

そうよね!?

とりあえず、彼女とぎゅーって抱き合った感触がだいすきなわたしはそう理解させてもらうわ。
ちなみにこれは薬学部生でレズビアンっていう友達から教わったんだけど、その子に説明してもらおうとしたら「うーん、ちょっと専門的だからねー」って濁されました。でもまあ、そのあとその子が恋人同士で楽しくキャッキャしてるところを見てたら、うーんまぁ難しいことはいっかー、って気分になったわ。女の子同士のカップルって、見てても可愛くって幸せ。


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▲詩人Elsa Gidlowの肖像と作品

1898年、アメリカでレズビアンについての作品をたくさん生み出した詩人、Elsa Gidlowの作品です。

「あなたはわたしのことを理解できないと言うわね

それじゃあ、説明させてちょうだいね。

たくさんのオレンジが実る中でも

わたしは誠実な目でりんごを見つめているのよ」


レズビアンをうたった詩では、古くはギリシャの女性詩人サッフォーの作品が有名ですね。わたし、国語の先生が現代詩の詩人さんでもあったんだけれど、授業で「童貞に詩は書けない」っていう激しい名言を残されました。しびれた。ストレートでもゲイでもレズビアンでも二次元相手でもなんでも、恋って人を詩人にするわね。
恋は、狂気よ。なぜなら言葉で説明がつかないから。でも、わたしたちは、言葉なしに恋をすることがむずかしい。だから人は恋をすると、詩人になっちゃうのね。やたら長いメールを書いて、なんでもないラブソングの歌詞に涙を流して。人間は、いまもむかしも、アメリカもギリシャも日本も、レズビアンもゲイもストレートも、一見違うように見えたって、みんなひびきあう何かを持っているのね。

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▲ねえアメリカ、笑っていて!

わたし、これを見つけたとき、口元を押さえて涙を流してしまいました。
胸に「I LOVE YOU」のハートをつけた女の子の人形が、首をもがれ、だけれどそれでも微笑んで、赤いハートを大事に抱えています。ポスターには年代の表記がなかったんだけど、おそらくレズビアンへの迫害がすごかった時代のものじゃないかしら? 同性愛者だというだけで、殺されたり、両親から縁を切られたり、ドイツではガス室送りになったり、レズビアンなら強姦されたりした時代が実際にあったのよね。一部の人たちの頭の中ではまだそういう時代が終わっていませんが、アメリカではだいぶ状況が改善されています。それもこれも、どんなひどい仕打ちを受けたって、彼女を愛する気持ちを捨てず、赤いハートを胸に戦い続けた女性たちのおかげなのよね。たとえ首をもがれ、命を奪われても、愛だけは誰にも奪えない。愛があれば笑顔でいられる。そういうことだと思いました。

余談だけれど、帰り道、職務中に亡くなった消防士さんのための記念碑がありました。愛について、命について、またあらためて考えたわ。記念碑なので、写真は撮りませんでしたが、手を合わせてお祈りしてきました。信じるもののために、命を捨てても戦う覚悟。それがきっと愛ってやつよね。



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▲デシー・ウッズを解放しろ!

デシーさんというのは、もうまじで意味が分からないんだけど、

・1976年2月2日、黒人女性デシーさんとその友達、ヒッチハイク
・そこに銃を持った白人男性があらわれ、脅してレイプしようとしてくる
・デシーさん、その銃を奪って白人男性を射殺
・デシーさん、なぜか逮捕
・デシーさん、なぜか22年も牢獄から出てこられない

という方です。彼女は61歳で亡くなられたので、実に人生の3分の1を理不尽に奪われたことになります。意味不明・オブ・意味不明だわ。もちろんあんまりにもえぐい差別だということで、デシーさん解放運動が起こります。
彼女がレズビアンだったかどうかは、わたしの調べた範囲ではわかりません。けれども当時のアメリカは、「女性を愛する白人男性」だけが大きい顔をして、それ以外の人々――同性愛者や性同一性障害や黒人や女性などの人々が不当に扱われるという社会でした。レズビアンとして生きるまえに、まず女性として人間らしい生活をすることが大変だったのね。なので、デシー・ウッズさん解放運動は、レズビアンへの不当な扱いを告発する上でも大きな意味がありました。

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▲キース・へリングによる、ナショナル・カミングアウト・デイのポスター

この絵、見たことあるって方も多いんじゃない? アメリカのストリートアートの先駆者、キース・へリングによる、カミングアウトデイのポスターです。彼自身もゲイでした。安全なセックスのための道具や知識が充分に広まっていなかった時代だったせいか、残念ながらAIDSにより31歳の若さで亡くなっています。でも、気持ちがわくわくするような、今にも踊りだしそうな人間の絵をたくさん遺しました。真っ暗なところからぴょこんと出てくる黄色い彼を見てると、おもわず、「ちょっと出てきてみよっかな」って気分になるわよね。
思春期に人一倍悩むせいか、ゲイには芸術的感性の優れた人も多いみたいね。へリングさん以外にも、画家のアンディ・ウォーホル、音楽家でピアニストのショパン、ミュージシャンのデビッド・ボウイなどなど、ゲイのアーティストを挙げればきりがありません。

まだまだいっぱい資料があるから、ちょっとずつ上げていきます。