ワコとイコくんがリスペクトして止まない沖原監督の映画「感情のない海」。
イコくんはワコの部屋でそのDVDを観ながら、ときどき一時停止して熱心にメモを取る。
映画のロケ地を特定する手がかりを探してるみたい。聖地巡礼ツアーの準備だね。

その日の夜、同じ布団で背を向け合って寝るワコとイコくん。
イ「今日会社行きましたか?」
ワ「うん、行ったよ」
前回・第11話は、イコくんがワコの勤め先の前までやって来たところで終わったんだよね。
ワコの職場に押しかけるのか!?とか思ったけど、さすがにそれはなかった模様w
イ「同じ部署の人は女の人?」
ワ「だいたいね」
イ「だいたい…?」
ワ「部長は男だけど」

背を向け合った姿勢から、イコくんが寝返りを打って、ワコの肩に触れる。
イ「ぼく今日会社行ったんですよ」
ワ「え…」
イ「今日、ほんとに会社行きましたか?」
もう辞めたっす!前回辞めたんだよ〜!
ワ「行ったよ。なんで?」
イ「昼休みはどうしてたんですか」
ワ「イコくん、学校行かないの?」
イ「もう行かないですよ」
イコくんの学校では、イコくんがかなり年上の女性と付き合ってるという噂が広まりまくり、
淫行だ、キモいキモいと言われ、イコくんは居心地の悪さを感じていた。
ワコの職場も同じ感じだったけど。結局のところ、噂流したのは誰だっての!!

一方、学校ではイコくんの映画仲間だったサカキと三島が先生から呼び出されていた。
先生「お前らさ、イコと仲良かったよな?あいつどうしたんだよ、全然学校来ないじゃないか。
お前ら、何か知ってるのか?」
黙って首を横に振るサカキ。
先生「すごーく年の離れた女の人と付き合ってるって噂聞いたけど、本当か?
文化祭に来てたらしいじゃないか」
サカキが笑いながら、明るく答える。「先生そんな話信じてるんですか?
みんなほんとそういう話好きですよね。ただ言いたいだけですよ」
三島「僕もそう思います」
先生との話を終えた後、廊下を歩きながら三島はサカキに尋ねる。
「イコのこと、何か知ってる?」
サカキは、知らない、とだけ言って立ち去った。
サカキはイコくんとワコの関係について、イコくんから直接聞かされたのだった。
そして三島は、イコくんから借りたSDカードに入っていたワコとのエロ動画を見てしまったのだった。
サカキと三島、2人とも事実を知ってるけど、互いに決して口には出さない。
サカキが学校を出ると、ワコが待っていた。
ワコ「イコくんと映画作ってたよね?何かあったの?」
サカキ「警察、呼びますよ。困るんじゃないですか?」
ワコ「知ってるんだね。私とイコくんのこと」
ワコが続ける。「わかってほしいんだけど。あなたが傷つくみたいに私も傷つく。
イコくんが暗いと、私も悲しいし。映画作ってる時は、すごく楽しそうだったのに。
たぶん…イコくんは、あなたや三島くん?みんなと一緒にいたいんじゃないかな。
私のことキモいと思うかもしれないけど…。でもイコくんは、本当に普通の男の子なの。
ただちょっと、人付き合いが…あまり幅広くないし…器用じゃないっていうか」
ワコの前を歩いていたサカキが立ち止まり、「わかる」とつぶやいた。
「もし気が向いたら、イコくんに電話してあげて。」ワコはそう言って頭を下げると、
帰って行った。
この場面、サカキに一生懸命話すワコの姿に感動した。イコくんへの深い愛を感じた。
サカキから見たワコの印象も少しだけ変わったのではなかろうか。
はじめはとんでもないオバサンだと思ったでしょうけどw

ワコは、会社を辞めたことをイコくんに伝えるとともに、例の映画「感情のない海」の
ロケ地巡りに行こうとイコくんを誘った。

映画で見た景色を実際に見て、大いにテンションが上がる2人。写真もたくさん撮る。
その後は、地元のお店で映画好きの人達と語り合った。
お店を出る頃にはすっかり日が暮れていた。
2人で手をつないで歩いていると、イコにサカキから電話が来た。
「出てあげたら」と笑顔で声をかけ、先に歩くワコ。イコくんは電話に出る。
ワコ、サカキに話をしに行った甲斐があったね。よかったね。
サカキも、しばらくイコくんと距離を置いていたけど、ワコの話を聞いたことで
やっぱりイコくんが大事な友達だって気づいたんじゃないかな。めでたし、めでたし。

ワコとイコくんは、並んで座って海を眺めている。
すると、ワコが唐突に「私はもう帰らないつもり。イコくんはイコくんの好きにして」と言う。
映画ロケ地であるこの街で部屋を探し、住むつもりらしい。
帰ってまた仕事するのが嫌になったとのこと。
「好きにして」と言われたイコくんは、ワコと一緒に住みたいと言うが、ワコは部屋も保証人も
自分で探して、と突き放す。
「僕のこと、もう好きじゃないんですか」
「好きだよ」
「僕のこと好きって言いながら、ほかの人の所に行くんですね」
「全然違うよ」
「僕が働きます!」
高校1年の男子にここまで言わせる32歳すごくない?魔性の女だぞー!!
ワコが言う。「イコくんは現実に戻って」。そう、あなた方がやってることはものすごく現実離れしている!
「もう僕のことなんてどうでもいいんですか?」「僕のことが面倒くさくなったからですよね」
「別れたいからって、ここに住むとか言わなくていいですよ!」
「はっきり言ってくださいよ、別れたいなら別れたいって!」イコくんが、ワコの肩を掴む。
「別れたくないよ。別れたくない…」ワコは泣き崩れる。
「僕もここに部屋借ります。絶対、ここに戻ってきますから」そう言って歩き出すイコくんの
背中に向かって、ワコは小さく「さよなら、イコくん」とつぶやいた。

ワコはイコくんのことが変わらず大好きだけど、年の離れた自分と先の見えない関係を
続けることで、彼が学校で居場所をなくし、大好きな映画も作れずにいることに罪悪感を
持ったのかもしれない。
大好きな人の幸せを願って、別れるという選択。ワコにしてはしっかりしてる。
そもそも彼女は、バイト先の映画館に客としてやってきた好みの男子高校生に目をつけ、
彼の落とし物を見つけてもすぐには渡さず、巧みに連絡先を聞き出し、巧みにデートに誘い、
挙げ句の果てにはその初デートで咥えてしまったというとんでもない女なのだ。
目先の欲にとらわれ、思いがけない行動力を発揮してあらぬ方向に突き進んできた彼女が、
最終的にはこんなにしっかりした選択をするとは。意外だわ。

数年後。少なくとも3年は経ってる模様。
沖原監督がインタビューを受けている。映画雑誌とかの取材っぽい雰囲気。
その現場には、ワコのバイト仲間だった水野さんがいる。
映画が好きで、昔ながらの小さな映画館・イデヲン座で楽しそうにバイトしてた水野さん。
夢を叶えて、映画に関わるお仕事をしてるんだね。
ワコが以前同棲してた元彼、ふうくんは同僚の女性と結婚し、子供が生まれた。
以前から仲の良かったリサ先輩夫婦にも、子供が生まれて、すでに3歳くらい。
ワコの元々彼、土屋くんは相変わらずおしゃれなバーで飲んでいる。
隣には、新たな彼女と思しき女性。結構若いみたい。
大学生になったサカキは、高校から仲の良かった女子と楽しくおしゃべりしながら歩いている。
そのすぐそばで、三島が男子の友人たちとダンスの練習をしている。
ワコはどうしているかというと、小さな映画館をオープンさせた。
複数の映画監督をゲストに迎えるトークショーを予定しているが、ゲストの一人として、
あのイコくんが出席予定だ。
イコくん、映画監督になったんだね!!
映画が好きなワコも、やりたかった仕事をついに実現させたんだ。
映画館には、かつての職場の同僚、照井さんが手作りのアンティーク家具を届けに来てくれた。
こちらも元気そうで何より。
開館日には、ワコの姉夫婦やイデヲン座の元館長も来てくれた。

夢を叶えたワコとイコくんが、どんな関係なのか、はっきりとした描写はなかった。
大人になって、改めて将来を見据えてお付き合いを再開したのか、それとも、
お互いに、それぞれの道を進むことになったのか。
ともかく、今のワコが自分の好きなことを仕事にして、キラキラしてたのがとても印象的だった。
ほかの登場人物も幸せそうだし。
とりあえずハッピーエンドで安心しました!!
いいドラマだった。映像も映画のように美しいし。終わっちゃって寂しいな。