義理の祖母のことその3 | 睦美の短歌日記

義理の祖母のことその3

(続き)

私は口を開いた。
「うん、私も大好きやったよ。でもおじいちゃん、おばあちゃんのことが一番大好きやったよね。昔よくノロケ聞いたもん。おばあちゃん、若くて綺麗で、おじいちゃんにはもったいなかったもんね」とかなんとか必死でひねり出した私のクサイお悔やみに、おばあちゃんはウッと声を詰まらせて、ポロポロ泣いた。
こんなセリフで良かったんやろか。分からない。「御愁傷様です」では済ませたくない相手へのお悔やみは苦手だ…と思った。
「睦美ちゃん、おじいちゃんの顔、見てあげて。さわってあげて」
「うん」
棺桶におさまったおじいちゃんの顔は、すごく綺麗だった。
頬を触ると、冷たかった。ドライアイスを敷き詰めて冷やしてるのだ。
ああこれが死ぬってことか、とぼんやり思った。

火葬場でおばあちゃんは、「〇〇さんありがとう、今までありがとう、〇〇さんありがとう、ありがとう、ありがとう」って言いながら、ずっと泣いてた。
それまで泣かなかった私も、おばあちゃんの言葉を聞いてたら、思わずボロボロもらい泣きしてしまった。

そのあと納骨も済ませ、集まった親戚を私の実家に招いてささやかな宴会をした。
おばあちゃんは早めに床についた。かなり疲れたんだろうと思う。
叔父たちは、財産分けの話をしていた。
私は、母と一緒に料理を作ったり出したりお酌をしたり、あれこれ手伝いをしながら、おばあちゃんの涙と「ありがとう」の言葉を思い出していた。
ああ、おじいちゃんはこの20歳も年下の後妻さんから、本当に愛されてたんやなァ…と思った。
良かったね、おじいちゃん。

それで私は、なんの気もなく、本当になんの他意もなく、「財産はおばあちゃんに全部あげたらいいんちゃう?」とポロッと言った。


し─────────────────────ん


……(°д°;;)
えっ?何?
私、もしかして地雷を踏んだ?
焦る私の袖を、上の弟がグイと引っ張り、小声で「おねえ、口出しするのはやめとけ」と睨んだ。
は、はい、ごめんなさい、まじで私空気読めてません…。
ひぃぃ…やってもた…よく分からんけどやってもた…。

(続き)