義理の祖母のことその2
(続き)
当時の私の口癖は、「おばあちゃん大好きー」だった。おばあちゃんが嬉しそうにするのが嬉しくて、何回も何回も言った。ちなみにこれは、幼い私が持ってた大人殺しのテクニックだ。保育園の先生や近所のおじさんなど、あらゆる大人を相手にこの必殺技を使ってたのw
や、本当に好きだったんだよ。好きな大人に可愛がってもらうための手段が「大好きー」で、こう言って甘えると、たいがいの大人は相好を崩して可愛がってくれるのを、幼心に知ってたのだ。
なんつー恐ろしいガキだ。
今の私よりもズル賢い。
いつだったか母が、「おばあちゃんには感謝せなあかんなァ…」って言ってたことがある。
「おじいちゃんの老後の面倒をみてくれてるわけやからね。もし今のおばあちゃんと再婚してなかったら、子供たちのうち誰かが引き取らなあかんかったやろ?もしそうなったら、いろいろ面倒なことや揉めごとが増えてたんちゃうかと思う。最初は私も反対したけど…」って。
そっか、なるほど。
確かに親との同居って、本人は良くても配偶者が嫌がって、揉め事の原因になりやすいよねぇ…。
お葬式で、義理のおばあちゃんは目を赤くしていた。頭を下げる角度も、時折ハンカチで目元を拭う仕草も、妙に色気があって上品だった。
少し見とれた。
私は、「おばあちゃん、大丈夫?」と声をかけた。
おばあちゃんは、「睦美ちゃん…。大丈夫ちゃうかも。私、寂しくて…。この先ひとりで生きていけるんやろか…」と鼻をすすった。
私は何を言っていいか分からず、でも、何か言ってあげたくて頭がグルグルした。おばあちゃんが癒されるようなセリフの一つぐらい言えなくてどーする。「大好きー」と言ってた幼い頃の自分にも劣るじゃないかと思った。
口ごもる私に、おばあちゃんは、「あの人なあ、睦美ちゃんのこと、大好きやったんやで。よく二人で睦美ちゃんの噂話してたんやで。会いたいなあって話してたんやで」って言った。
ああ、私、最近ぜんぜん会いに行ってなかった。自分の薄情さにチクンと心が痛くなった。
患わずに死ぬというのは、死ぬ間際に会える確率が下がるということでもあるんだなと思った。
(続き)
当時の私の口癖は、「おばあちゃん大好きー」だった。おばあちゃんが嬉しそうにするのが嬉しくて、何回も何回も言った。ちなみにこれは、幼い私が持ってた大人殺しのテクニックだ。保育園の先生や近所のおじさんなど、あらゆる大人を相手にこの必殺技を使ってたのw
や、本当に好きだったんだよ。好きな大人に可愛がってもらうための手段が「大好きー」で、こう言って甘えると、たいがいの大人は相好を崩して可愛がってくれるのを、幼心に知ってたのだ。
なんつー恐ろしいガキだ。
今の私よりもズル賢い。
いつだったか母が、「おばあちゃんには感謝せなあかんなァ…」って言ってたことがある。
「おじいちゃんの老後の面倒をみてくれてるわけやからね。もし今のおばあちゃんと再婚してなかったら、子供たちのうち誰かが引き取らなあかんかったやろ?もしそうなったら、いろいろ面倒なことや揉めごとが増えてたんちゃうかと思う。最初は私も反対したけど…」って。
そっか、なるほど。
確かに親との同居って、本人は良くても配偶者が嫌がって、揉め事の原因になりやすいよねぇ…。
お葬式で、義理のおばあちゃんは目を赤くしていた。頭を下げる角度も、時折ハンカチで目元を拭う仕草も、妙に色気があって上品だった。
少し見とれた。
私は、「おばあちゃん、大丈夫?」と声をかけた。
おばあちゃんは、「睦美ちゃん…。大丈夫ちゃうかも。私、寂しくて…。この先ひとりで生きていけるんやろか…」と鼻をすすった。
私は何を言っていいか分からず、でも、何か言ってあげたくて頭がグルグルした。おばあちゃんが癒されるようなセリフの一つぐらい言えなくてどーする。「大好きー」と言ってた幼い頃の自分にも劣るじゃないかと思った。
口ごもる私に、おばあちゃんは、「あの人なあ、睦美ちゃんのこと、大好きやったんやで。よく二人で睦美ちゃんの噂話してたんやで。会いたいなあって話してたんやで」って言った。
ああ、私、最近ぜんぜん会いに行ってなかった。自分の薄情さにチクンと心が痛くなった。
患わずに死ぬというのは、死ぬ間際に会える確率が下がるということでもあるんだなと思った。
(続き)