義理の祖母のことその1 | 睦美の短歌日記

義理の祖母のことその1

去年、母方の祖父が亡くなった。
前日の夜まで大好きな日本酒を飲み、おばあちゃん相手に旅行の計画を機嫌良く話していたという。
おばあちゃんが朝、布団のなかで冷たくなってるおじいちゃんを発見したらしい。死因は心臓発作。
長患いもボケもなかったこの見事な往生、私も見習いたいもんです。

お葬式にかけつけた親戚じゅうから、「孫の中じゃ、睦美ちゃんが一番可愛がられてたよねぇ」と言われまくった。
はい、自覚ありました。
何故か私はおじいちゃんにめちゃくちゃ可愛がられていた。たくさんいるイトコたちの前で、肩身が狭くなるほどに。
そもそも私の母がおじいちゃんのお気に入りだった。母は四人兄弟の末娘なんだけど、おじいちゃんは母を猫可愛がりしていたという。その母から最初に生まれたのが私。私がおじいちゃんに特別に可愛がられたのは、可愛い末娘が生んだ子供だからだろうなと思う。

喪主をつとめたおじいちゃんの奥さんは、私の実の祖母ではない。
私の母や母の兄弟を生んだおばあちゃんは、私が幼い頃に亡くなっている。ガンだった。この実のおばあちゃんのことは、あいまいな記憶しか残っていない。
それからしばらくして、20歳近くも若い今のおばあちゃんと再婚したのだ。おばあちゃんと呼ぶのが申し訳ないぐらい、若くて美しい女性だった。
当時、母を含む兄弟たちは、この結婚に反対したようだった。
いきなり四人の子供の義理の母になり、八人の孫の義理の祖母になった新しいおばあちゃんには、さぞかし心労があっただろうと思う。
前妻と引き比べ、「料理が下手」とか「センスが悪い」とか「気がきかない」とか言う叔父さんたちの言葉を耳にしたこともある。

私はこの再婚相手の義理のおばあちゃんからも可愛がってもらった。
大人たちの事情は分からなかったけど、おかげで得をした。新しいおばあちゃんは優しかったから、すぐに大好きになったの。
子供のころは、一人でおじいちゃんおばあちゃんの家によくお泊まりに行ってた。親元を離れることで自立した気分になれるのが好きだった。まあ、どう考えても自立ではないけど。
当時おばあちゃんは、おじいちゃんを「殿」と呼び、私を「姫」と呼んでいた。川の字で寝た。おばあちゃんは元美容師で、「本物のお姫様みたいにしようか?」と言って、私の髪をカールして可愛く結んでくれたりした。

(続き)