梔のかほり -3ページ目

梔のかほり

霧雨の濃い、そんな季節に溶けていきたい。そんな言葉

あなたの響きを捕らえた私


その響きはどこか悲しく


私は止まったまま。


燃えるだけ燃えて


何もなくなればいい


火を着けるのは簡単だけれど


火を消すのは難儀なことで


ましてや私は可燃性物質


この火はどうなるんだろう。


淡々と時は過ぎる


追うのは辞めようか


今さら何ができる


人の足では三月はかかるこの距離を


埋める手立てはない。


終わり


そう、終わりにしよう


もう終わり。





さようなら人類

憐れにもこのくだらない腐った世界で泳ぎ回っておくれ