性能試験を「実施済み」と偽って納品、という事業者がいれば大きな健康被害が出る場合が予測されます。

 これらを「なんとかする仕組み」としては、数台の不良品を混ぜて発注し、「実施済み」として納品された中に「不良品」の特定がなければ、その検査は不十分と判断できます。

 チェックする仕組みがなければ、不誠実な行為が横行し、日本の社会が壊されます。「ブラインド試験」という。

 

 

 令和7年10月31日ネットから

  放射線測定大手のA社(東京都)は30日、線量計や放射能の測定機器など3615台について、実際には行っていない性能試験を「実施済み」と偽って納品していたと発表した。東京電力や福島県などによると、廃炉作業中の福島第一原発や、除染土を保管する中間貯蔵施設で使われていたという。

 

 同社によると、不正が確認できたうちの9割は個人用線量計。ほかは、大気中の粉じんを取り込んで放射線量を調べるダストサンプラーなどだった。福島営業所の担当者が2022年9月~25年9月、東電などから求められた性能試験が済んだとする証明書を偽造していた。

 担当者が測定器の性能試験を担当部門に依頼しないまま証明書やシールを偽造し顧客に渡していた。今年9月末に上司が気づいた。この担当者以外に不適切行為は確認されなかったという。

 

 東電によると、福島第一原発では今年6月に同社から納入された線量計1千台のうち199台が該当し、少なくとものべ9千回使われた。ただ、構内ではあわせて携行するガラスバッジで個人の被曝(ひばく)線量を管理しており、作業員などに健康上の問題は生じていなかったという。

 福島県によると、中間貯蔵施設で23年度に使用していた大気浮遊粉じんの濃度を測る装置が、該当していた。環境省によると、除染土の運搬などで使われた装置にも不正の疑いがあった。

 東電と県は、機器の性能に問題はなかったとしている。