安曇野の今の観光ルートから、少し離れた場所に、その美術館はある。
もう何年振りかも、わからない。
山を愛し、山岳絵画を愛したオーナーは、数年前に亡くなり、奥様が一人、美術館を守っていらっしゃるとのこと…
訪れる人も少ないらしく、午後の一時を、贅沢にも貸し切りで、絵を観賞させてもらった。
『あの頃のままなんですよ』…と奥様の笑顔が、寂しくもあり、誇らしくもあり…胸がキュンとした。
あの頃のままとは、思えないくらい建物は、立派で、手入れも良いのか、傷みも少ない…壁紙が日焼けして、額縁や窓の形で、色が違う…
壁紙もそのままなのか…
ぎこちなく奥様と話させてもらう…開館して、28年だそうだ…
さすがバブル期!!今では、考えられない贅沢な建築物のようにも思える。
…あの頃が良かったと思うには、まだ若い私だけど、いい時代を生きさせてもらったのだと、改めて、ありがたかった…
バブルは、賛否両論…負の部分が多いのも本当だけど、こんな場所に来ると感謝したいと思う。
バブル時代の遺産だろうか…?
正直…今の合理主義では、この美術館は、誕生しなかっただろうし、存続も厳しい…と、勝手に想像してしまう私…
展示されている絵画は、登山家であり、画家でもある作者の作品にこだわり抜く。
その姿勢は、28年間変わっていない。
登山し、その場所から描かれる山の絵は、キャンパスは小さいけれど、山頂が同じ目線にあって、とにかく壮大な絵なのだ。。。
テラスで奥様が入れてくれたコーヒーを飲んで、帰るとき…奥様が、お元気でね…と微笑んでくれた。
こんな風に、山を愛し続けるカタチもあるんだと思った。
ここは、時代遅れの美術館なのかもしれないし、だから良いのかもしれない。
昨今、中高年の方たちは、登山ブームとのこと…北海道では、悲しい事故も起きている。
私は、登山愛好家では、ないけれど…
山を愛する人たちへ、山への愛情を是非、山岳美術館で、感じてほしいと、思うのでした。
