昨年の夏
一人暮らし、フリーで仕事をしていた私は、
自身が鉄欠乏性貧血であることは自覚していた。
更に連日ニュースでは「例年にない猛暑」という言葉。
「今年の夏は暑いし、貧血もあるし」
そういう言葉で何とか自分を誤魔化そうとしていたが、
それでもおかしかった。
今までになかった身体の不調を感じていた。
夏休みも終盤に差し掛かった時の事だった。
私の住んでいるアパートから駐車場まで、およそ40メートル。
2階に住んでいた私は、階段を下りて駐車場まで歩くのだが、
その間に息切れするようになっていた。
「疲れやすいのは、貧血のせいだ」
「更にこの暑さだから仕方がない」
それ以外に、自分を納得させられる理由が思い浮かばなかった。
9月に入って、それは顕著になってきた。
階段を1フロア上がるだけで、肩で息をするまでになる時があった。
加えて、足がむくみ始めた。
これまでは「足がむくんでいる」と自覚することさえ
ほとんどなかった。
しかし、押したら凹む、戻ってこない、
更に足首が分からないほどまでに太くなっていた。
貧血もかなり進んでいるのだろうと、かかりつけの病院へ行き、
むくみ、息切れ、疲れやすさから、やはりいつもの貧血を
改善するための鉄剤を処方してもらった。
これで良くなるはず。
そう信じるしかなかった。
多少疲れやすさが和らいだ気がしたし、
貧血を表すヘモグロビン値も上った。
しかし、息切れとむくみは徐々に悪化していった。
