「大丈夫」はとても便利に、ありがたく使ってきた言葉です。
けれど、このごろ「大丈夫ですか」と聞かれてどう応えていいのかわからなくなってしまうことがよくあります。
たしかに、「大丈夫」は結構幅広く使える言葉です。
あの人に任せておけば大丈夫!
とか
この箱に入れて発送すれば大丈夫。
これは、間違がなく確実に進めてくれる様子、安心できる様子とか、強くてしっかりしているといったことでしょうか。
「生牡蠣ってこの時期に食べて大丈夫だっけ?」
「大丈夫。」(食べても問題ない)
食べない方がいいときは、「大丈夫じゃない」でもわかるけれど、「やめた方がいいと思う」と使うかしら。
これは問題の有無を確認。あっ!もう慣れたのだけれど「全然大丈夫」・・・
「大丈夫、気にしないで!」と言ってくれた方が嬉しいかな。
ここまでは、大丈夫!無理なく、考えずに使っています。
あらためて考えてみると、大丈夫という言葉にはYESで使う時とNOで使う時があるんですね。
で、大丈夫を上手に使えなくなってしまうシーンを思い出してみました。
【シーン1】レストラン
「お水大丈夫ですか?」
最初にこの言葉が気になってしまった瞬間が、いつのことだったか覚えていないのですが…
(私の心の呟き)『大丈夫って、お水が古いとか腐っているとか?変えましょうか?ってこと?』
食事から目をウェートレスさんに向けると水差しを持っている。
『あ!お水を足さなくとも大丈夫ですか?ということなんだ!』
多分返した言葉は、「ウ~、ア~、はい~」だったと。
足さなくともいいときは、「大丈夫」で大丈夫のようですね。
足してほしときは、大丈夫を考えずに「お願いします」ということにしました。
私が苦手な英語の否定疑問形のようだ!
【シーン2】コンビニ
「○○ポイント大丈夫っすか?」
コンビニは現代用語を生み出す場所!ウカウカしてはいられません。パッパッと応えないとおばさん扱いされてしまいます!(もうお婆さんに近いのに、こういうときは頑張ってしまいます。)
ポイントを使いますか?
ポイントは加算しますか?
ポイントカードはお持ちですか?
ポイントカードをご提示なさらなくてよろしいですか?
私は何を聞かれているのだろう。○○ポイントカードは持っているけれどその日は持っていなかった。何も考えず「今日は持っていません。」と言ってしまえばよかったのだろうけれど、下を向いて、「ハイ」と応えました。
支払い金額を出して、お釣りを待っている時に、もう一度
「○○ポイント大丈夫っすか?」
『えーいクソ_!』「ハイ」
お釣と商品を受け取れました。
学習しました!
ポイントカードがあるとき:黙って出す
ポイントカードがないとき:ありませんという
オー
〜という感じ?、〜といった形?、〜という体で…
曖昧言葉に使用範囲が広がったのですね。
おばさんは時々ブラックになるので
「きっと大丈夫!」と笑顔で応えたらどうなるのかな?なんて思っています。
【ついでのシーン3】お客様に
「このお菓子お口に合うかしら?私は好きなんだけれど。」
「大丈夫です。」
「?????」
お口に合うということ?
何とか食べられそうということ?
両方不正解で、『食べないので、入りません。』を笑顔と手を横に振る仕草と共に柔らかく断っていらっしゃるらしいですね。
ブラックおばさんは『笑顔は恥じらいの笑顔でよろしい!満面の笑顔はいらない!手をバタバタさせるでない!』と思いながら「そうですか、ご遠慮なさらないでね。」などと作り笑いをするのです
大分以前、まだ「ら抜き言葉」が考えられていた頃、トーク番組で、国語辞典の金田一先生が「言葉はね、その時代、その時代の流行語を取り入れながら、定着したものだけがある期間を経て、言葉として認められるんで、ら抜き言葉をいつの日か大半が認めるようになるのだったら、それでいいんじゃないかと思っている。」と笑顔でおっしゃっていたことが印象的でした。
たしかに!今、古文のような言葉は誰も話していませんもの
否定はしないけれど、時代が進むのが早すぎて、早口の方が多すぎて…
言葉を楽しめたらいいなと思っています。
そして、「私の言ったことは理解できていますか?大丈夫ですか?」と聞いて欲しい、「大丈夫」が「大丈夫じゃない」おばさんです。