かつての駅舎を利用した

 

パリの人気美術館といえば、

 

そう、オルセー美術館。

 

 

1900年のパリ万博開催に、

 

合わせて建造された

 

オルレアン鉄道の終点、

 

オルセー駅が前身です。

 

 

100年以上にわたり、

 

時を刻む、美しい金色の

 

大時計は当時からのもの。

 

19世紀の名作揃いの

 

常設展は何度、訪れても

 

飽きることはありません。

 

 

この日は残り一週間に、迫った企画展

 

「近代絵画の父」と称される

 

フランス人画家 Paul Cézanne

 

(ポール・セザンヌ)の肖像画展

 

を目当てに訪れました。

 

 

このチャップリンみたいな

 

オジさんが晩年のセザンヌさん。

 

セザンヌといえば、果物の

 

静物画やサント・ヴィクトワール山

 

風景画が広く知られていますが、

 

肖像画も200点近く、残しています。

 


 

鋭く睨みつけ、何かを

 

訴えかけるような表情。

 

入場して間もなく、20代の

 

頃に描かれた自画像に、

 

釘付けになりました。

 

1866年 「レヴェヌマン」紙を読むルイ-オーギュスト・セザンヌ(画家の父)

 

1839年、南仏エクス・アン・

 

プロヴァンスで、父が銀行家という

 

裕福な家庭に、誕生したセザンヌ。

 

それはそれは厳格な父親だったそうで、

 

父親が亡くなるまで、その心理的な

 

抑圧から解放されることはなかったよう。

 

父親の怒りに、触れるのを恐れて、

 

妻と息子の存在も長い間、

 

隠していたそうです。

 

 

こちらが同棲17年の末に、

 

妻となったオルタンス・フィケ。

 

彼女の肖像画は29点、残されていて、

 

1888-90年頃 「赤いドレスを着たセザンヌ婦人」

 

本展の作品を見ても口を一文字に

 

結び、無表情ながらも憂いを

 

帯びた表情が心に残りました。

 

人付き合いが苦手で、気難しい

 

セザンヌに対して、フィケは明るい

 

性格だったようですが、自分や

 

子供の存在を父親に隠し通す夫の

 

態度に、不満もあったことでしょう。

 

そういう背景を知ったうえで

 

ということもありますが、

 

フィケの心の奥底に抱える

 

感情が微妙に読み取れるような、

 

なんだかそんな気がしました。

 

とはいえ、傍からどんな風に見えようが、

 

夫婦の間のことはその当事者でないと

 

分からないものですが。

 

 

また、モデル泣かせでもあったセザンヌ。

 

長時間、同じ姿勢を強いられた挙げ句に、

 

動くと「りんごは動かない。」と言って、

 

怒りをあらわにする

 

偏屈ジジイ セザンヌ の肖像画

 

のモデルを何度も何度も務めた

 

フィケはさぞ、大変だったことでしょう。

 

1881-82年頃 「画家の息子の肖像」

 

気難しいセザンヌも息子には

 

自分と同じ「ポール」という名を

 

授け、愛情を注いだそうです。

 

1869-70年頃 「画家アシル・アンプレールの肖像」

 

 

印象派画家との交流も深かった

 

医師ポール・ガシェを描いたデッサン

 

1888-1890年 「赤いチョッキの少年」

 

ワシントン・ナショナル・ギャラリー

 

からやって来た「赤いチョッキの少年」は

 

本展の広報物に使用されています。

 

1890-95年頃 「女とコーヒーポット」

 

1895-96年 「ギュスターヴ・ジェフロワの肖像」

 

1895-96年 「ロザリオを持った老女」

 

1906年頃 「庭師ヴァリエ」

 

これだけの肖像画が一堂に、揃うのは

 

本当に貴重な機会なので、有意義な

 

時間を過ごすことができました。

 

ところで、セザンヌといえば、

 

フランスの文豪 Émile Zola

 

(エミール・ゾラ)との人間模様を描いた

 

映画『セザンヌと過ごした時間』が

 

今月、日本で公開されています。

 

 

興味のある方はチェック

 

してみてくださいね。

 

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◆  Musée d’Orsay

住所 1 rue de la Légion d’Honneur 75007 Paris
TEL 01 40 49 48 14
開館時間 9:30-18:00(木曜は~21:45)
休館日

月曜日、5/1、12/25

最寄り駅 Solférino ⑫、RER-C線 Musée d'Orsay
Website https://www.musee-orsay.fr