書店や文房具店、カフェなどが

 

集まる昔ながらの学生街

 

カルチェ・ラタン。

その中心部に Musée de Cluny

 

(Musée National du Moyen Âge)

クリュニー中世美術館があります。

行きたいと思いつつもなかなか

 

行けずじまいでしたが、ようやく

 

訪れることができました。

CM入口

周囲を塀で囲まれた美術館の

 

入口は、こんな風にひっそり

 

としています。

すぐ横に正門がありますが、

 

この時は閉まっていたため、

 

ここが出入口となっていました。

知らなければ、うっかり

 

通り過ぎてしまいそうです。

CM中庭

美術館となっているのは、

 

紀元3世紀ごろに造られた

 

ローマ時代の共同浴場跡に、

 

クリュニー修道会の修道院長の

 

邸宅として建立された館です。

ゴシック後期のフランボワイヤン

 

様式とルネサンス様式が混合

 

しており、パリに現存する 

 

「15世紀建造の3大邸宅のひとつ」

 

として知られています。

CM日時計

 

1674年に作られた日時計

CM井戸

 

中庭にある井戸

CM1

一般に5世紀から15世紀までを

 

「中世」と呼び、美術館の名称にも

 

なっているとおり、中世にまつわる

 

約2万4千点の貴重なコレクションが

 

展示されています。

CM3

CM2

 

「キリストの降誕と受難」を

 

表した木製の祭壇には、細やかな

 

彫刻が施されています。

CM4

23の展示室には絵画や彫刻、

 

調度品、宝飾品、タペスリー、

 

家具、戦闘用の装具などが、

 

時代やテーマに沿って、

 

展示されています。

CM5

 

ステンドグラスの部屋

CM6

 

『聖書物語』の一枚、

 

「4人の人物」

CM21

 

15世紀に作られたイギリスで、

 

祭壇の壁を飾っていた

 

雪花石膏の飾り板。

CM7

 

フランス革命時に破壊された

 

パリ・ノートル・ダム大聖堂の

 

諸王像。

CM8

 

ノートル・ダム大聖堂の

 

ファサードを飾っていた

 

諸王像の頭部。


1977年4月に、21の頭部の

 

断片がパリの工事現場で偶然、

 

発見されました。

CM9

 

元々はイヴと共にノートルダム

 

寺院にあったアダム像。

CM22

 

柱頭彫刻象牙細工

CM19

CM18

 

象牙細工

CMローマ浴場跡

 

古代ローマ時代の共同浴場跡地

 

の一部が、展示室として使われて

 

いるのも興味深いです。

CM20

貴婦人と一角獣

2階には、こちらの美術館の至宝

 

として知られる『貴婦人と一角獣

 

(La Dame à la licorne)』

 

の展示室があります。

6枚からなるタペスリーの連作で

 

「味覚」、「聴覚」、「視覚」、

 

「嗅覚」、「触覚」の五感を表現し、

 

最後の1枚は「我が唯一つの

 

望みに」と題されています。

貴婦人と一角獣2

 

「味覚 (Le goût)」

 

侍女から差し出されたドラジェ

 

(糖衣菓子)を手に取る貴婦人。

貴婦人と一角獣6

 

「聴覚 (L'ouïe)」

 

貴婦人がオルガンを弾き、

 

その音色に動物たちが

 

酔いしれています。

貴婦人と一角獣3

 

「視覚 (La vue)」

 

手鏡をもつ貴婦人。

 

前脚を貴婦人の膝に乗せ、

 

鏡に映った自分の姿を見る

 

ユニコーン(一角獣)。

貴婦人と一角獣4

 

「嗅覚 (L'odorat)」

 

花冠を編む貴婦人。

 

脇にある籠から花を取り出し、

 

匂いを嗅ぐ猿。

貴婦人と一角獣5
 

「触覚 (Le toucher)」


右手で旗を掲げ、左手で

 

ユニコーンの角に触れる貴婦人。


 

「我が唯一つの望みに 

 

(À mon seul désir)」


最後の一枚は謎が多く、

 

解釈が分かれる作品です。

 

貴婦人は他の5枚で身につけて

 

いた首飾りを手にしていますが、

 

侍女が差し出した箱から取り

 

出したところなのか、それとも

 

しまうところなのか、これが

 

連作の始まりなのか、終わり

 

なのか定かではありません。

タペスリーの中に描かれた旗や

 

ユニコーン、獅子が身に着けて

 

いる盾には、フランス王シャルル

 

7世の宮廷の有力者であった

 

ジャン・ル・ヴィストの紋章があり、

彼がこのタペスリーを作らせた

 

人物ではないかと見られています。

CM11

 

フランボワイヤン様式の

 

礼拝堂の天井も必見です。


フランボワイヤン(flamboyant)

 

とは「炎が燃え上がるような」

 

という意味のフランス語で、

 

装飾が炎を思わせる華麗な曲線を

 

表すことから名付けられたようです。

CM12

CM10

CM14

CM15

CM13

 

家具やゲームなど中世の

 

生活を垣間見る品々も。

CM16
 

武具

CM17

パリには大小多くの美術館が

 

ありますが、中世という時代に

 

焦点をあてた美術館は、多くは

 

ありません。

思った以上に見応えのある

 

素晴らしい美術館でした。

CM夜
 

外に出ると、すっかり

 

日が暮れていました。

CM夜1

夜の方が幻想的な雰囲気で

 

素敵です。

CM夜2

敷地の外(サン・ミッシェル

 

大通り側)には、ローマ時代の

 

公共浴場跡もありますので、

美術館を訪れる際には、

 

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◆ Musée de Cluny(Musée National du Moyen Âge)

住所 6 place Paul Painlevé 75005 Paris
TEL 01 53 73 78 00 
開館時間 9:15-17:45(入館は17:15まで)
休館日 火曜日、1/1、5/1、12/25
最寄り駅 Cluny-La Sorbonne ⑩
Website http://www.musee-moyenage.fr/