年間通して、さまざまなイベントが開催されるパリですが、
日も長く、過ごしやすい春から夏にかけては
足取りも軽く、出かけるも楽しい季節になってきます。
バカンスに出かけるちょうど一週間前の5月21日(土)にも
『Nuit des Musées 2016 à Paris(夜の美術館)』という
イベントが開催されました。
2005年から始まり、今年で12回目を迎える
『La Nuit Européennes des Musées』というイベントの一環で、
パリはもちろん、フランス全土、ヨーロッパ各国の多くの
美術館が夜間、午後7時から午前0時まで無料開放されます。
世界に名だたる美術館が集まるパリですから、
どこの美術館へ行こうか迷います。
今年はジャズ好きの主人の意見を尊重して、ジャズコンサートが
行われるオランジュリー美術館へ行くことにしました。
並ばないといけないことは覚悟のうえでしたが、
予想以上に長蛇の列。
とりあえず、最後尾につくもなかなか進まない列を
前に憂鬱になってきます。
「このペースだと入館まで1時間半はかかるね~。」
なんて、主人と話しながら、辛抱強く並びます。
私たちの前に並んでいた老夫婦は30分ほど並んで、
ついに諦めて、列を外れてしまいました。
主人から「オルセーに行く?」と提案がありましたが、
「いやいや、オランジュリーでこの行列なんだから、
オルセーはさらにその上をいくでしょう。
このまま、ここで並んでいようよ。」ということで、
ひたすら並び、1時間45分後にようやく入館できました。
外で並んでいる間に1回目の演奏は終わってしまい、
入館できた時は2回目の演奏の途中でした。
夜9時でもこの明るさ
オーギュスト・ルノワール 「ピアノを弾く二人の少女」
日本では国立新美術館で開催中の「ルノワール展」が
話題になっていますよね。
シャイム・スーティン 「聖歌隊の少年」
アメデオ・モディリアーニ 「若い見習い職人」
パブロ・ピカソ 「タンバリンを持つ女」
アンドレ・ドラン 「アルルカンとピエロ」
アンドレ・ドラン 「ギターを持つアルルカン」
アンドレ・ドラン 「画家の姪」
マリー・ローランサン 「ポール・ギヨーム夫人の肖像」
マリー・ローランサン 「女たちと犬」
マリー・ローランサン 「スペインの踊り子たち」
モーリス・ユトリロ 「ベルノ商店」
そして、「オランジュリー」と言えば、この大作をなくして、語れません。
クロード・モネ 「睡蓮」
壁一面に広がる大作が2部屋にわたり、展示されています。
晩年、白内障を患い、失明同然だったモネ。
白内障の手術を受け、成功したとしてもこれまでとは物の
見え方が変わってしまうことを非常に恐れたそうです。
この作品を完成させるために、あれほど手術を拒み続けた
モネが3度にわたり、手術を受け、執念と魂で描いたであろう
集大成とも言える作品です。
モネは自分の死後に作品を展示するということを条件に、
他にも「睡蓮」の部屋には他の作品を展示しない。
作品と観客との間に仕切りやガラスなどを設置しない。
など厳しい条件をつけたそうです。
オランジュリーの中で最も人気のある展示室ですから、
いつも混雑しています。
ところが、皆さまも気付かれたと思いますが、人がいないでしょう。
人が映らないことを見計らって、撮影してはいるのですが、
こうやって見るとまるでひとり占め状態。
3回目のジャズコンサートが始まり、人がそちらへ流れたので、
こんな風に人が減って、ゆったり鑑賞、そして、人が映り込まない
作品のみの写真を撮ることができました。
頑張って、並んだ甲斐があるってものよ。
メトロの駅にはられたポスター
7月18日まで開催中の「Apollinaire, the vision of the poet」展も
なかなか良かったです。
帰る頃には午後11時をまわり、すっかり日も暮れていました。
それでも外は長蛇の列。
主人も私もさすがに2時間近くも並ぶのにはうんざりしてしまい、
「こんなことなら、平日に来た方がいいよね。」
という意見で一致しました。
当初は美術館のはしごをするつもりでしたが、あまりの
混雑ぶりに疲れ果ててしまい、家路に向かいました。
来年、行かれる方は穴場の美術館を狙った方が良さそうです。
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