結婚してからのMさんは、わたしと一緒に過ごした時のようなMさんではなく、身なりはよくとも表情から笑顔が消えたグレースケールの世界で生きているように見えました。



わたしは職場を去り、寂しさを紛らわしてばかりのひとり暮らしは続きました。


Mさんとの月日は長い長い夢を見ていたのだろうと思うことにしましたが、それにしては幸せすぎる時間でした。



たまたま、所用で京都に出かけていた日、かつての同期二人から連絡があり、気乗りはしなかったのですが、どうしてもということで急きょ会うことになりました。

そこで、同期の口からMさんが離婚したことを知ったのです。
離婚の理由は憶測もあったと思いますのでご夫婦二人の本当のところはわかりません。


なんでしょうね、この時わたしは勝ち誇ったような気持ちになりました。




Mさんは今もわたしの好きな人・・・というより一緒にいる時間が好きだったのかもしれません。

でも、当時のことを思い出すたび、今でもとても幸せな気持ちに包まれます。

ご縁がある人であれば、またいつか会えることがあるかもしれません。

同じ思いをMさんが抱いていてくれているなら、出会った時は言葉はなくただ、時間が止まったように抱きしめ合うのだろうと、予想のお膳立てもできています。


入社前の新幹線の後部座席からのMさんの視線は偶然ではなかったのだと後になってハッとしたのでした。




LOVE AFFAIR 〜秘密のデート〜 / サザンオールスターズ


心満たされる数々のデートでした。





ではまた、ごきげんよう♡