月曜日の夜から静かで落ち着いた生活に戻りました。

窓を閉めると外の音がすべて遮断され、部屋の中は恐ろしく無音になります。

集合住宅では、他人の話し声が聞こえると気になって眠れないことがあると思いますが、まったく何も聞こえないことが仇となって微かな音を拾ってしまうため、かえって気になってしまうものです。

それでも、毎夜深夜1時〜2時の決まった時間に覚醒する以外は、朝の5時までなんとか眠ることができています。

再び犬と暮らす日までは散歩に行くことができないため、少し遅めに起きる生活パターンに変えました。

毎週末には犬に会うことはできますが、離れて暮らすようになって1か月が経ちました。
わたしにとっては人間以上に大切な存在であるため、生活にハリがありません。




ひとりの夜が心細い時はいつもこの絵本を思い出してしまいます。


写真は転載しています。


「モチモチの木」
斎藤 隆介 作/滝平 二郎 絵

小学生の頃でしたか・・・この物語に出会ってからというもの、主人公の豆太と同じく、わたしもひとりでお便所に行くことが怖くなり、横で寝ているおばあちゃんを起こして毎晩付き添ってもらっていました。

滝平さんの版画が素晴らしく、そしてとても怖くて引きこまれてしまったのです。

そのせいか、この歳になってもこの「モチモチの木」だけは忘れることができません。





周囲を見渡すとたくさんの人がいますが、やはり、ひとりの人間として存在しており、好みも欲求も自我も性質も何から何まで自分自身で築きあげているものだと思うのです。
たまに人と共有することもあるかもしれませんが、死を迎える最期の時がそうであるように、みんなそれぞれ “ひとり” であって、けっして “ふたり” になることはないのだと思います。


ひとりで考え、ひとりで決断し、ひとりで行動する・・・そしてひとりで死んでゆく・・・家族がいようと、友だちが何人いようと、人はひとりでは生きていけないどころか、自ら選んでひとりで生きているのだとわたしは思います。


そして・・・仕事には区切りをつけることができますが、命は生きている限り区切りをつけることはできません。





ではまた、ごきげんよう。