自宅からの犬の散歩コースには彼岸桜の木が二本あり、毎年この時期に花を咲かせます。


この時期は亡くなった先住犬のココが、闘病で一番つらい治療を続けていた頃です。

この桜の木は某企業の塀の向こうにあり、何年か前に大々的に伐採されてしまいました。


なぜか、この二本だけは枝を落とされた状態で今も残っているのです。


土曜日から娘たちと自宅泊まりをしているので、犬の散歩で久しぶりに桜の木のそばを通ったのです。


今年はもう咲かないのかな?と思っていましたが、しっかりと花を咲かせていました。

ココの闘病中はココをブランケットでくるんで抱きかかえ、モクゾウはリードで歩かせていました。
ココは虚な意識のなか、散りゆく桜の花びらをずっと見つめていました。

モクゾウは地面に落ちた桜の花びらを食べていました。



“静” と “動”、消えてしまいそうな命とみなぎる命・・・対照的な二匹と散歩しながら、ココが亡くなる数ヶ月前には二匹に振り回されながら散歩していた、楽しかった時のことを思い出していました。


亡くなったココの名前の由来は、ココ・シャネルの “不屈の精神” からです。
犬のココは亡くなるその時まで不屈の精神をもって生きました。


その精神はわたしが受け継ぎ、今に至ります。
退屈よりも大失敗を選ぶ女として、そして困難に屈することなく生きてゆきたいと・・・ココの桜が力強く咲く姿を見てそう感じた春の彼岸でした。







ではまた、ごきげんよう。