脊髄の手術を終え、いま私は病室のベッドの上にいる。
手術が終われば一安心……そんなに甘いものではなかった。
待っていたのは、想像を超える身体の痛みと、思うように動かないもどかしさ。さらに、背中を固定するコルセットが皮膚に当たって擦れ、激しい痛みが追い打ちをかける。睡眠不足とストレスで、心も体もまさに限界(限界突破)を迎えていた。
何より辛かったのは、血糖値のコントロールだった。
食事を制限し、大好きな甘いミルクティーもグッと我慢して無糖のアイスティーで喉を潤す日々。それでも、測定結果の数字は思うように下がってくれない。「これだけ我慢して耐えているのに、なぜ?」と、やるせない気持ちでいっぱいになった。
しかし、主治医や看護師と話す中で気づかされたことがある。
いま血糖値が高いのは、自分の努力が足りないからでも、我慢ができていないからでもない。手術という大きなダメージから回復しようと、身体が必死に「戦闘モード」で戦っている証拠なのだと。
身体が頑張って戦ってくれていると思ったら、数字の責任をすべて自分で背負い込むのはやめようと思えた。
物理的な痛みに加えて、頭を悩ませていたのが退院後の資金や生活のことだった。
仕事のことや不当な扱いを受けた過去の記憶、これからの生活費……暗い病室で一人になると、不安ばかりが頭を駆け巡る。
だが、現状を一つひとつ整理していくことで、少しずつ霧が晴れていった。
- 傷病手当金の受給手続き: これまで必死に働いて納めてきた権利として、無事に手当金が振り込まれたこと。
- 高額療養費制度(限度額適用認定証)の活用: 区分オ(一番下のクラス)が適用され、毎月の医療費自己負担の上限が35,400円に抑えられること。
- 民間保険の活用: 退院後に受け取れる入院給付金や手術給付金により、今回の医療費実費は十分にカバーでき、手元にも資金を残せる見通しが立ったこと。
数字として明確な上限と出口が見えたことで、「お金の心配で潰れることはない」という強い安心感を得ることができた。
今の私には、思い通りに動かない身体がある。下がらない血糖値に落ち込む日もある。
「何ひとつ良いことなんてない」と投げ出したくなる瞬間だって、一度や二度ではない。
それでも、傷病手当金や高額療養費の手続きを自分でやり抜き、大好きなミルクティーを我慢して無糖のお茶を選び、激痛に耐えながら今日という日を生き抜いた。それは間違いなく、私が自分の足で立ち上がろうとしている証拠だ。
退院後の生活や血糖値管理にも、まだ不安はある。
けれど、焦って100点を目指す必要はない。
まずは今夜、痛みが少しでも和らぐことを祈りながら、静かに身体を休めようと思う。
一歩ずつ、焦らず、自分のペースで前へ進んでいく。