走行距離14万㎞弱
15年の長きに渡り
わたしをどこにでも運んでくれた
愛車との別れが近づいている
心踊る日も
心砕かれた日も
ただただ わたしを乗せて
走り続けてくれた

この子以上に
欲しい車がなかったけど
世情を見ていて購入を決意
納期が遅れるたび
内心ガッツポーズだったが
ついに
納車日が決まってしまった

今日、
愛車のハンドルを撫でながら
今までありがとうと話しかけていたら
本気で泣けてきて

道行く人に
ガン見されてたかもやけど
知らん
もーいいのだ と
大泣きしてしまった
当日、わたしは
どんだけ泣くンやろ
車屋さんは ドン引きやろな
お金があれば
セカンドカーとして手元において
撫で回しあげたいのだが
と、妄想を繰り広げる不毛ぶり
渾身の愛を込めて
愛車に話しかけていたら
心が通じた気がして
うー
ヤバい、涙が止まらない
こんなんでは
当日、ストライキなみに
運転席に居座るのではないか

愛車の名前を
次の車に継がせるか
新しく名前をつけるか
とか
しょーもないことを
のほほんと考えながら
黄昏 窓際族のごとく
車窓から景色を眺め
考古学館の駐車場で
ぼけ〜〜〜っとしていたら
施設のおじさんが
入るの?入ってもいいよと
呼びに来てくれて
(わたしは不審者ではないが
車を擬人化し
感傷に浸っているヤバい女なのだ
)

「パンフラワーが綺麗やけん見ていきなー」と
声をかけてくれた
施設見学をして
思わぬ気分転換になり
これ、友達とまた来よう
あ、
友達の引っ越しもあと2週間だと
出会いと別れの春に思いを馳せた
わたしの日曜日
しょーもない話を
ながながとすみません
2041年
世界は どう変わっているのだろうね
メディカルプランナー
高橋美智代