「トップドッグ/アンダードッグ」 | Kyoto Corgi Cafe 2

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Kyoto Corgi Cafe 2 東京・三軒茶屋の(シアタートラム」で28日まで上演されている「トップドッグ/アンダードッグ」を観ました。アフリカ系アメリカ人女性として初めてピュリッツァー賞を受賞したというスーザン・ロリ・パークスの作品で、幼い頃に両親に捨てられたアフリカ系アメリカ人の兄弟リンカーンとブースが繰り広げる台 詞劇。ブースというのはリンカーン大統領を暗殺した男の名前。弟は万引き常習犯だけど、かつてカード賭博で稼いでいた兄は今は遊園地で働いている。とは言 え、その仕事は白塗りしてリンカーン大統領の扮装をして椅子に座り、客に暗殺ごっこをさせるショー。2人のやりとりは笑いを交えながらも破滅の予感を漂わ せています。演出も手がける千葉哲也と、ここ数年千葉演出の舞台に出てきた堤真一の2人はさすがにこなれていて巧いです。
黒人兄弟の物語だけど、 人種や国に関係なく普遍的な兄弟の話としてとらえた演出とのこと。確かに兄弟ゆえの甘えや反発、依存は人種をこえるけど、でも、それよりもモモ母は社会の 底辺に生きる者のプリミテイプで短絡的な衝動ゆえの悲劇を強く感じました。親から捨てられたということは子供時代に与えられるべき愛情だけでなく、教育の 機会も失われたワケで、日本も貧困による教育格差が広がっていることを考えると、まさにアメリカだけの問題ではない気がします。観劇した日、キャロットタ ワー前では某政党が威勢の良いことを言って、拍手が沸き起こっていたけど、日本の進むべき道を誤ると、とんどもないことになりそうだと思わずにいられませんでした。
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