「タペストリーホワイト」 | Kyoto Corgi Cafe 2

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Kyoto Corgi Cafe 2 大崎善生の「タペストリーホワイト」を読みました。高校まで北海道で過ごした主人公が東京に出て西荻窪界隈に住むパターンはこの作品でも踏襲されてます が、主人公が女性であることや学生運動を描いているのが特徴。大好きだった姉と恋人を内ゲバでなくした主人公は、というか大崎氏は全共闘世代より少し後の 世代。彼らが進学する学校には先輩が荒らした痕が生々しく残っていて、精神的なダメージを直接受けているところが、モモ母のような遅れてきた世代と大きく 違う。直後だからこそ若さゆえの過ちと、その後の転向が許しがたいんだなと。
モモ母の通った大学も西荻窪近辺にあったけど、主人公や主人公の姉が 住んだアパート近くの善福寺川は粗大ごみが捨てられているようなイメージはないし、アパートの部屋に突然鉄パイプを持った男たちが度々乱入して、時には誤 爆と呼ばれる闘争とは関係ない若者を滅多打ちにする状況が頻発してたなんて信じられないほど、平和でした。だけど、年代的にはそんなにも違わないんですよ ね。そこにあった建物がなくなると、そこにどんな人が暮らし、どんな思いを抱いていたかなんて、誰も気にとめないんだなと思うと、土地の記憶がほとんど継 承されないことに愕然としたりもします。それにしても、社会の変革を目指しながら、学生同士の殺戮を繰り返し、あっさり体制側に転向した人たちに、今こそ 当時の心境を聞いてみたい気がします。原子力ムラにも転向組が結構いるんだろうか・・・なんて、ふと思ったモモ母でした。