「イルカ」 | Kyoto Corgi Cafe 2

Kyoto Corgi Cafe 2

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Kyoto Corgi Cafe 2 よしもとばななの「イルカ」を読みました。自分が好きなのは「よしもとばなな」ではなく「吉本ばなな」だな・・と思う前半でした。完成度はさておき、初期 の「キッチン」や「TSUGUMI」等の方が素直に共感できるんですよね。オカルト的な要素が強かったり、共同体での生活とか親がちょっと風変わりだった り特殊な環境で育ったキャラには、どうも違和感を感じます。でも、時の流れを生きる孤独やそれ故に今つながっている人との出あいの不思議さと幸福感は、相 変わらずしっかり感じられ、キミコの妊娠がわかったあたりからは違和感が薄らいでいきました。
これからの人生の時間を共有することはないとわかっ てる相手と連絡先を交換することで寂しさを慰めあったり。いつかこのプロジェクトチームは解散するだろけど、今は一緒にいて確かに何かを共有しているのだ と感じたり。そうそう、そうよね・・・と身にしみます。そして印象的に出て来るのが以前飼っていた猫のシロ。夢の中で膝の上に乗ってきて、元気だった頃の 重さでお腹を温めてくれる場面。キミコは毛皮の感じがなつかしくて、この貴重な時間を大事にしようと思う。そして出産後に赤ちゃんを車に乗せて退院する時 に思い出す、シロの遺体を寺に運ぶために光の当たる外に出した時のこと。対照的なことのようなのに、出産と死は実はさほど変わらないのではないかとキミ コ。暗い世界から生まれ、いつかはまたあちら側に戻っていく。前もってあれこれ不安に思っても、いざ現場を迎えてしまうとなんでもなくなってしまう。それ は出産も死も同じ。なるほど、そうかも知れません・・。