「ジェニイ」 | Kyoto Corgi Cafe 2

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Kyoto Corgi Cafe 2 ポール・ギャリコの「ジェニイ」を読みました。少年ピーターがある日突然真っ白な猫になってしまったとこから始まる物語は、猫好きなら堪らなく好きなはず。 大の猫好きだったというギャリコが描く世界は、あんたも前に猫になった経験があるの?と思うくらいリアル。短く凝縮された「スノーグース」 と違って長編だし、最初は猫を通して見た人間社会の風刺的な寓話かと思ったけど、生きるものへの愛情に溢れていて、雌猫ジェニイの指導で日に日に猫らしくなっていくピーターがラストで凛々しい雄猫に成長するには、この長さが必要だったんだと納得しました。そしてピーターではなく、ジェニイがタイトルの意味も。
楽しい時や気持ちが良い時に爪が出たり入ったりする理由を、ジェニイは生まれて間もない頃の記憶だと言います。目もまだ見えない頃に母親から温かい乳をもらっ た時の安心感を生涯覚えていて、初めて幸福だった頃を思い出すと自然と爪が動くそう。具体的な出来事は忘れても、心と体で感じたことはその人の中でずっと 残っていく。それはこの作品を読み終わった時に再び実感します。「パフにはほかに興味を寄せるものごとがたくさんあるものなの」大人になった飼い主のことを語るジェニイの言葉で、最近意識してなかった「犬の十戒 」 を思い出しました。「あなたには楽しみや仕事もあるし、友達もいるでしょう。でも、私にはあなたしかいないのです」モモにはモモ母しかいないということ、 少し忘れてました。今、心ならずもペットと別れている飼い主さんが被災地に大勢おられます。でもペットは飼い主にしてもらったことをちゃんと記憶している んですね。だから再会した時にはすべて受け入れて飼い主さんを向かえてくれる。漂流犬が飼い主さんと再会した時の喜びようがすべてを語っているようでした。