「スノーグース」 | Kyoto Corgi Cafe 2

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Kyoto Corgi Cafe 2 ポール・ギャリコの「スノーグース」を読みました。これも古書店で目に付いて読みたくなったもので、キャメルが同名の曲を制作したとか、ギャリコが「ポセ イドン・アドベンチャー」の作者だとかは全然知らずに読みました。孤独な画家ラヤダーと少女フリスの交流を描いた「スノーグース」、大切なロバの病気を治そうと奔走する孤児ぺピーノの心が人々を動かす「小さな奇跡」、貧相な牝牛が奇跡を起こす「ルミドーラ」の3つの短編からなっています。
3作にはそれぞれ絵画のように印象的な場面がありました。「スノーグース」は波に漂う小さなヨットの舟縁に一羽の鳥がとまっている光景。この場面は第二次世界大戦 中に起きたダンケルクの戦いでの出来事として書かれており、ギャリコの動物への温かい眼差しと共に、強い反戦のメッセージもこめられています。渡り鳥の旅 立ちを見送る場面もあるんですが、再会できるかどうかわからない鳥達が段々小さくなって遠い空に消えていくのを見ているのって、切ないですね。「小さな奇跡」は納屋のわらを背にぺピーノとロバのヴィオレッタが体を寄せ合って眠る場面。動物のぬくもりを肌で感じていると、何とも言えない安心感があります。 「ルミドーラ」はアルプスの山からバターやチーズ作りを終えた牛や牧夫達が降りてくる行列を、ふもとの人達が出迎える場面。先頭を行く牛の首に掛けられた 巨大なベルが群集の中に響く様子は、お祭り的な高揚感を伴った牧歌的な風景です。いずれも純粋で寓話的な作品で、ちょっと出来すぎと思える点もありますが、動物好きには心に残る一冊だろうと思います。