東京巡りで最初に訪れたのは品川の「原美術館」でした。12月26日まではソウル生まれのアーティスト崔在銀(チェジェウン)の作品展「アショカの森」が行われています。モモ母は原美術館が大好きで、訪れるといつも時間や自然の営みと人との関わりを考えさせられ、哲学的なことを思ったりするんですが、今回もまさしくそんな展覧会でした。古代インドのアショカ王は5本の樹を植え、それを見守ることを提唱したそうです。5本とは「薬効のある樹」「果実 のなる樹」「燃料になる樹」「家を建てる樹」「花を咲かせる樹」。写真や立体、映像で森を構成するインす多レーションです。1階の大きな展示室には5つの画面に長い歳月をかけて形成された樹の幹が映し出されていました。画面は少しずつ動いていて、隣接する画面が似た木肌を映し出す時もあれば全く違う表情を 見せる時もあります。それは変わらないように見えながら太古から絶えず変化を遂げてきた森そのもの。
2階の狭い展示室は外から覗き込むようになっていて、
見るとモノクロのビデオが速いスピードで流れていきます。記憶がどんどん過去に遡って、やがて生まれる前の胎内の記憶にまで戻りそうなイメージ。タイトルを確認すると「森はいつからそこにあったのでしょうか?」。一番好きだったのは2階の廊下に展示された「Flows」。一本の樹を写した写真のように見えながら、よく見ると葉の合間から差し込んだ光がきらめきながら幹を照らしています。見ているうちにたまらなく懐かしい気持ちになりました。悠久の昔から続く自然と人との関係が見事に館内に凝縮されていました。とは言うものの、数年前に改装された館内は昼時だったせいか展示室より併設されたカフェの方が賑わってました。友人いわく今や原美術館はお茶するところなんだそうです。http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html