「蟹工船・党生活者」 | Kyoto Corgi Cafe 2

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Kyoto Corgi Cafe 2 今年5冊目に読んだのは小林多喜二の「蟹工船・党生活者」。実はちゃんと読んだことなくて、近年の再脚光ブームも冷ややかに眺めてたんですが、最近になっ て京都でよく知られた眼科医で先ごろ99歳で亡くなられたN先生が、戦前に誰でも平等にかかれる医療を目指して設立された診療所に賛同したために何ヶ月も 投獄、拷問されたことを知りました。あの優しく温厚な印象のN先生にそんな過去があったなんてと歴史のひとつだった多喜二の虐殺がリアルに感じられて、 ちゃんと読んでみる気になりました。
派遣切りなど近年の状況が蟹工船に似てると言われますね。確かに国民より国家が、労働者より企業が優先される のは今も同じではあるけれど、臭気漂う劣悪な労働環境で肉体を酷使した末に立ち上がろうとする漁夫や貧農出身者と、労基法の下、ストレスフルとは言えエア コンの効いた部屋などで働くことを選んだ派遣やフリーターはちょっと違うと感じました。寧ろ親の経済格差が深刻になりつつある今からが本当の意味で蟹工船 の状況に陥っていく人が増えるような気がします。モモ母的には作品としては「党生活者」の方が断然面白かった。でも体制派も反体制派も「個」を疎かにし て、生きやすい社会が作れるはずないよね。